旧統一教会(世界平和統一家庭連合)に対する解散命令が東京地裁から下されました。教団側は即時抗告の方針を示し、徹底抗戦の構えを見せています。しかし、宗教法人としての解散後も、関連団体は存続し、形を変えて活動が続く可能性が懸念されています。今後の旧統一教会、そして信者の行方はどうなるのでしょうか。2022年7月に安倍晋三元首相を銃撃した山上徹也被告の母親が事件後に語った「信仰は続けたい」という言葉から、その未来を考察します。
山上被告の母と旧統一教会
山上徹也容疑者の高校時代
山上被告の母親は、事件後、親しい旧統一教会関係者に「安倍さんのご家族、親族の方々に謝罪したい。私の至らなさで……」と語ったとされています。息子の起こした事件、そして彼が影響を受けた映画「ジョーカー」の存在が明らかになるにつれ、彼女の苦悩は深まるばかりでした。宗教問題に詳しい評論家のA氏は、「母親の信仰心は揺るがないでしょう。しかし、息子の事件によって、その信仰との向き合い方は大きく変化する可能性があります」と指摘します。
山上被告と映画「ジョーカー」
山上被告が頻繁に投稿していた
山上被告は、2019年10月6日、旧統一教会トップの韓鶴子氏を狙った暗殺計画を企てていましたが、失敗に終わりました。その前日には映画「ジョーカー」を鑑賞していたことが、彼のTwitterへの投稿から明らかになっています。社会からの疎外感、絶望、そして復讐――「ジョーカー」の物語は、山上被告の心に深く突き刺さったのかもしれません。B大学社会学教授は、「映画『ジョーカー』は、社会の歪みや個人の苦悩を描いた作品です。山上被告は、自身の境遇と重ね合わせ、共感した部分があったのではないでしょうか」と分析しています。
解散命令後の信者たちの選択
旧統一教会の解散命令は、信者たちに大きな影響を与えるでしょう。信仰を続ける者、離れる者、様々な選択を迫られることになります。山上被告の母親のように、信仰を続けたいと願う信者もいる一方で、教団への不信感を募らせ、離れていく信者も少なくないでしょう。今後の旧統一教会は、分裂や再編の可能性も考えられます。C宗教団体研究所の研究員は、「信者たちは、それぞれの状況や信念に基づいて、今後の道を決めていくでしょう。教団側も、解散命令後の対応を迫られています」と述べています。
信者たちの心のケアの必要性
今回の解散命令は、信者たちの心に大きな傷を残す可能性があります。特に、多額の献金をしてきた信者にとっては、経済的な不安も抱えることになるでしょう。心のケア、そして生活支援など、多方面からのサポートが必要となります。
まとめ
旧統一教会の解散命令は、新たな局面の始まりです。信者たちの未来、そして日本の宗教界の行方に、引き続き注目していく必要があります。