元外相の田中真紀子氏(81)が21日、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」に生出演し、先日行われた参院選で敗北を喫した自民党に対し、その独特の「真紀子節」で痛烈な批判を展開しました。田中氏は、変化する時代の潮流を読み解けない党の現状と、現在の党幹部の資質について厳しく言及し、政界に大きな波紋を広げています。
時代の変化を理解しない自民党への警鐘
田中氏は、自民党の敗因について、単に「石破内閣」といった表面的な議論に留まらず、より根本的な問題点を指摘しました。彼女が強調したのは、現代が「インターネット、SNSの時代」であるという認識です。この時代において、国民、特に若い世代は「新しいものに結構期待する傾向がある」と分析。その上で、「自民党がまた、麻生さんが出てきてどうだとか、岸田さんがどうだとかって前と同じようなこと言って。本人は続けたい。古い世代の自民党の人たちは続けさせたくないとか、自分が出たいとか、思惑が昔と同じ形で続いていて、若い世代に嫌がられていると思います」と述べ、党内の旧態依然とした権力闘争が若者からの支持を失っている実態を浮き彫りにしました。この発言は、参政党の躍進など、既存政党に飽き足らない国民の期待を読み取れていない自民党への明確な警鐘と言えるでしょう。
「内向き」な姿勢と世論の乖離
田中氏はさらに、自民党が「まだ内向きで、世論の風、動向が分からないのかと」と厳しく指摘しました。20日の参院選開票時の自民党執行部の映像を振り返りながら、「この並んでる顔ぶれみてもですね」と吹き出しつつ、「個人的によく存じ上げている方が多いから、文句言いたくないんですけど、政治の風土、メカニズムが分かっていても、時代の風、世論が分かっていない」と語りました。これは、党幹部が政治の仕組みは熟知していても、国民感情や社会の変化といった「時代の風」を捉えきれていない、という手厳しい評価です。田中氏の世代ですら「またやるのか」と呆れるほどの、党の閉鎖的な姿勢が浮き彫りになりました。
「情報ライブ ミヤネ屋」出演時の元外相・田中真紀子氏の肖像
現幹部への厳しい評価と引退勧告
現体制への批判は、個々の幹部にも向けられました。森山裕幹事長については、「まあね森山先生もいい方でね、気の弱い方でね、幹事長務まるかいなと私は思って見てましたけど」と前置きしつつ、「要は自民党に人はいても数がいても、質が良くないですよ今は。本当にレベルが低いと思います、はっきり申し上げて」と、現在の自民党幹部の資質そのものに疑問を呈しました。
さらに、麻生太郎氏や岸田文雄氏といった重鎮に対しても、「ああいう方たちも早くやめたほうがいいですよ。後ろで綱引いてるか、糸引いてるんですか。そんなことしないほうがいい」と、影響力を行使し続けることへの批判を展開しました。番組中に麻生氏の映像が流れると、「あっ、出てきた!この方も仲良しなんですけど、もう辞めたらいい。なんのために出てきてんですか。そういうのが若い世代から見たら、面白くない。もう辞めなさい!この顔!昔はもっと可愛かったんですよ」と笑いを交えながらも、その引退を強く促しました。
結論
田中真紀子氏の一連の発言は、長年の政治経験を持つベテランだからこその、鋭い洞察と率直な物言いが際立つものでした。彼女の批判は、自民党が直面している世代間ギャップ、そして変化する国民意識への対応の遅れという本質的な課題を浮き彫りにしています。現幹部の「質の低さ」や「内向きな姿勢」を痛烈に指摘した田中氏の「真紀子節」は、今後の政局にも一石を投じることとなるでしょう。自民党がこの厳しい評価をどう受け止め、次なる一手をどう打つのか、注目が集まります。