中国投資が過去最低 1~10月、インフラ投資に勢いなく





北京にある中国人民銀行=8月6日(UPI=共同)

 【北京=三塚聖平】中国国家統計局が14日発表した主要統計によると、今年1~10月の企業の設備投資を含む固定資産投資は前年同期比5・2%増だった。1~9月(5・4%増)から0・2ポイント低下し、香港メディアによると過去最低を更新した。

 米国との貿易摩擦の深刻化で景気減速傾向が鮮明になる中で、中国政府は積極的な財政政策で景気を下支えする方針を示す。だが、かつてのようなばらまき型の景気対策には慎重姿勢を保っているため、インフラ投資が思うように伸びていないことが響いた。

 1~10月のインフラ投資は4・2%増と、1~9月(4・5%増)から減速した。中国政府はインフラ投資についても拡大方針を示しているが、掛け声通りには伸びていない現状が浮き彫りになった。

 一方、10月の工業生産は前年同月比4・7%増で、9月(5・8%増)から大きく減速。消費動向を示す小売売上高は、10月に7・2%増と9月(7・8%増)から縮小した。生産、消費ともに自動車などに勢いがみられなかった。

 統計局は発表資料で、10月の中国経済が置かれた状況について「複雑に錯綜(さくそう)した国際情勢と、国内経済の下押し圧力に直面した」と分析している。

 米国との貿易戦争を背景に、中国経済の減速傾向は強まっている。2019年7~9月期の国内総生産(GDP)成長率は6・0%と2期連続で減速し、1992年以降で最も低い水準を更新。今後のさらなる悪化も予想されており、中国政府が一段の金融緩和やインフラ投資などに乗り出す可能性も指摘される。



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