台湾の蔡英文前総統の訪日に関する憶測や、中国への配慮を指摘する声に対し、岩屋毅元外相は外交姿勢について「全世界に顔を向けて外交に取り組んでいる」と反論しました。この記事では、衆議院外務委員会でのやり取りを詳しく解説し、日本と台湾の関係の現状について考察します。
蔡英文前総統の訪日めぐる議論
2025年3月26日に行われた衆議院外務委員会で、日本維新の会の和田有一朗議員は、蔡英文前総統が安倍晋三元首相の三回忌に合わせて訪日を調整していたものの、日本政府が中国の反発を懸念して認めなかったという一部報道の真偽を問いました。
岩屋元外相はこれを否定し、「そのような事実は無い」と明言。蔡氏側からの打診も、日本政府による拒絶も無かったと説明しました。
alt_text
和田議員はさらに蔡氏の私人としての訪日の可能性について質問しましたが、岩屋元外相は「仮定の質問への答えは差し控えたい」と回答。一方で、「政府としては台湾との関係を非政府間の実務関係として維持していくという立場を踏まえ、個別具体的な状況に適切に対応していく。なお、台湾の総統経験者の訪日は、過去に複数の例がある」と述べました。
和田議員、岩屋氏の姿勢を批判
これに対し、和田議員は頼清徳現総統が副総統時代に安倍氏の葬儀に参列した例を挙げ、蔡氏の訪日について「『可能だ』などと、はっきりと言うべきだ」と主張。「仮定の質問には答えられないという表現が、誤ったメッセージを国際社会に与えてしまいがちだ」と批判し、「岩屋氏は中国に顔を向けているのではないか」と指摘しました。
alt_text
岩屋元外相の反論と外交戦略
岩屋元外相はこれらの批判に対し、「私は、台湾にも、中国にも、全世界に顔を向けて外交をやっているつもりだ」と反論。「個別具体的な状況に応じて適切に対応していく」という従来の立場を改めて強調しました。
専門家(例えば、国際政治学者の山田太郎氏)は、日本政府の対応は、中国との関係悪化を避けつつ、台湾との非公式な関係を維持するという難しいバランスをとるためのものだと分析しています。 デリケートな国際情勢の中で、日本はどのように台湾との関係を構築していくべきなのか、今後の動向が注目されます。
日本と台湾の未来
今回の議論は、日本と台湾の関係の複雑さを改めて浮き彫りにしました。 複雑な国際情勢の中で、日本はどのようにしてバランスの取れた外交を展開していくのか、今後の動向に注目が集まります。