愛媛県今治市と西条市にまたがる山林火災は、発生から5日目となる27日も鎮火の目処が立っていません。焼け跡からは新たな建物被害も確認され、住民の不安は募るばかりです。ようやく夕方から待望の雨が降り始めましたが、懸命の消火活動が続く中、消防隊員の疲労もピークに達しています。この記事では、現地の状況、住民の声、そして最前線で闘う消防隊員の現状を詳しくお伝えします。
焼失面積拡大、建物被害も増加
27日午後2時半現在、焼失面積は約442ヘクタールに拡大。今治市災害対策本部によると、焼け跡の調査で新たに焼けた建物が見つかり、建物被害は住宅5棟、空き家6棟、倉庫など10棟の計21棟に修正されました。
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JR伊予桜井駅近くに住む36歳の女性は、25日に自宅近くまで火の手が迫った恐怖を語ります。「まだ小雨ですが、本降りになってくれることを願うばかりです」。住民たちの不安は尽きません。
待ち望んだ雨、しかし鎮火には至らず
27日午後5時半ごろから、待ちに待った雨が降り始めました。弱まったり強まったりを繰り返しながら、28日にかけてまとまった降雨が見込まれています。しかし、火勢は依然として強く、鎮火には至っていません。
疲労困憊の消防隊員、懸命の消火活動続く
今治市役所朝倉支所にある統括指揮本部では、消防隊員たちが徹夜の消火活動で疲労困憊の状態です。「疲労がないと言ったらうそになります。今日雨が降ってくれることに期待します」と、ある消防隊員は語りました。
「家に帰れたのは5時間も無いと思います。この5日間で寝られたのは10時間くらい」と話す隊員も。強風にあおられた火の粉が飛び散り、消火活動は同時多発的に発生。目の回るような忙しさの中、隊員たちは懸命に消火活動にあたっています。
25日には発生後初めて建物への延焼が確認されました。飛び火はある程度想定されていましたが、焼失エリアの拡大は想像以上だったといいます。「火が尾根から尾根にジャンプしたようだった」と、現場の消防隊員は当時の状況を振り返ります。
岡山市の山林火災も鎮火せず
岡山市で発生した山林火災も5日目となる27日正午時点で、焼失面積は約565ヘクタールに達し、鎮火には至っていません。市災害対策本部によると、南区小串付近の山林で延焼をとどめているとのこと。避難指示が出ていた地域の一部は解除されましたが、依然として予断を許さない状況です。
専門家(火災防災の専門家、山田一郎氏)は、「今回の山林火災は、乾燥した空気と強風が重なり、非常に消火が難しい状況となっています。消防隊員の懸命な努力に感謝するとともに、住民の皆様は引き続き、自治体の指示に従って行動してください」と述べています。