「最も怠惰」なリーダーが「最も結果を出す」リーダーである5つの理由


一方、最も優れたリーダーは違うやり方をしている。彼らは、会議の数が少なく、より自由に権限を委譲し、自分のスケジュールを徹底的に守る。そして、チームは常に優れた成果を上げている。

最も優れたリーダーは、慌ただしい活動よりも、戦略的な抑制が大きな効果を生むことを知っている。「意図的な怠惰」を極めることで、限られたエネルギーを最も重要なことに集中させ、それ以外のすべてを手放すのだ。

こうした直感に反するやり方が、効果を発揮する理由は5つある。

■1. 優れたリーダーは「忙しそうに見せるため」ではなく、結果に焦点を当てる

優れた管理者は、「忙しそうに見せること」に関心がない。気にするのは結果だ。ほかの人が、カレンダーを会議で埋め尽くし、深夜にメールを送り、献身を証明しようとする一方で、優れたリーダーは、実際に成果を生むのが何かを問い続けている。

●「見せかけの仕事」の問題点
優れたリーダーは決して、「忙しそうに見せるため」の仕事はしない。不要な進捗会議を開いたり、誰も読まない報告書を作成したりする代わりに、最も重要な事柄を見極め、残りは無視する。既存研究は一貫して、活動ではなく結果に焦点を当てることで、チームのパフォーマンスが向上することを示している。

「見せかけの仕事」の代償は計り知れない。Visierの最新調査によれば、従業員の83%は、何らかの「見せかけの仕事」をしている。成果を促進するための仕事ではなく、忙しそうに見せるための仕事に週10時間以上を費やす者は半数近くに上っている。

●実際の影響
あるCEOが、週次の進捗報告を60分から15分に短縮したとする。チームは、実際の業務に集中できる時間を、週に数時間得ることができる。多くの場合、リーダーが不要な会議をなくせば、成果は大きく向上する。優れたリーダーは、多忙さは名誉の証ではないと理解している。

●プロからのアドバイス
週の初めに、最も大きな影響を与える3つの成果を特定しよう。もしタスクや会議がこれら3つに直接貢献しないのであれば、断るか、ほかの人に任せよう。

■2. 優れたリーダーは、自分がいなくても機能するチームをつくる

真のリーダーシップとは、自分をより不可欠にするのではなく、より不要にすることだ。優れたリーダーは、情報を独占したり、あらゆる決定の中心に自分を置いたりしない。代わりに、単なるタスクだけでなく、責任そのものを委譲する。

●タスクの委譲と責任の委譲
タスクを委譲することと、責任を委譲することには決定的な違いがある。

・タスクの委譲とは、考えることは自分で行いながら、作業を他者に引き渡すこと
・責任の委譲とは、責任と意思決定の両方を引き渡すこと

最も優れたリーダーは、最初に時間をかけてチームを訓練し、その後は一歩引いて任せるようにする。

●委譲によるビジネス面のメリット
学術誌『International Journal of Economics and Business Administration』に発表された研究によれば、効果的な委譲は、生産性と収益性を高めるだけでなく、従業員のモチベーションと心理的エンパワーメントも向上させる。つまり、リーダーがボトルネックでなくなることで、チームはより速く動き、より多くの成果を上げられるということだ。

●プロからのアドバイス
意思決定の枠組みをつくり、チームが自律的に決められることと、あなたの関与が必要なことを明確に定義し、それを共有しよう。あなたの関与が不要な判断にまで介入したくなる衝動を抑えよう。



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