故竹内英明元県議へのSNS批判、少数のアカウント発信が拡散源か 東大教授が分析

兵庫県議を辞職した故竹内英明氏に対するSNS上での批判的な投稿の拡散について、東京大学の鳥海不二夫教授(計算社会科学)が興味深い分析結果を明らかにしました。一体何が明らかになったのでしょうか?

SNS分析で浮かび上がった「13のアカウント」

鳥海教授は、X(旧Twitter)上で昨年1月1日から竹内氏が亡くなった今年1月18日までの約1年間、竹内氏に関する約18万件の投稿を分析しました。その結果、批判的な投稿の約半数は、わずか13のアカウントの発信を基に拡散していたことが判明しました。これらのアカウントが、故人への批判的な情報の拡散に大きな影響を与えていた可能性が示唆されています。

alt 故竹内英明元兵庫県議alt 故竹内英明元兵庫県議

批判的投稿のピークと拡散の持続

分析によると、投稿数のピークは竹内氏が県議を辞職した昨年11月18日でした。擁護する投稿も一定数ありましたが、すぐに減少傾向を見せたのに対し、批判的な投稿はその後も拡散し続ける傾向が確認されました。

拡散の背景に「エコーチェンバー現象」

鳥海教授は、この拡散の背景に「エコーチェンバー現象」があると指摘しています。エコーチェンバー現象とは、SNS上で自分と似た考えを持つ人々が集まり、互いに意見を強化し合うことで、異なる意見が排除され、偏った情報が拡散しやすい状態を指します。今回のケースでは、たとえ情報が誤っていたとしても、エコーチェンバー内で訂正されにくかった可能性が考えられます。

alt 東大鳥海教授によるSNS分析結果alt 東大鳥海教授によるSNS分析結果

影響力のあるアカウントによる拡散

13のアカウントの中には、政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首も含まれていました。立花氏は竹内氏の死後、同氏が兵庫県警の捜査対象だったと発信しましたが、県警本部長はこれを「事実無根」と否定しています。鳥海教授は、一定のフォロワーを持つ人物の発信が、情報の拡散に拍車をかけた可能性を指摘しています。

SNS時代の情報拡散を考える

今回の分析結果は、SNSにおける情報拡散のメカニズムを改めて考えさせるものとなっています。情報発信の責任、そして情報を受け取る側のリテラシー向上が、これまで以上に重要になっていると言えるでしょう。

結論として、故竹内氏への批判的な投稿の拡散は、少数のアカウント発信を起点としたエコーチェンバー現象と、影響力のある人物による情報発信が大きく影響した可能性が示唆されました。 この事例は、SNS時代の情報拡散の複雑さと、情報リテラシーの重要性を改めて浮き彫りにしています。