「ハーバード経営大学院という学歴も、タイム誌の表紙写真も全て偽物だ」
米国のトランプ政権で、30代の韓国系女性としては異例となる国務省副次官補(deputy assistant secretary)級の高位職に昇進したミナ・チャン(32)が12日(現地時間)、学歴詐称騒動の渦中に立たされた。
米国の複数のメディアは、ハーバード大経営大学院(ハーバード・ビジネス・スクール)出身という高学歴で、全世界の危険地帯を飛び回る国際支援団体の最高経営責任者(CEO)、なおかつCDを発売した歌手という華麗な経歴を基に高位職に就いたチャン氏について、どこまでが真実でどこからがうそなのか一斉に疑問を投げかけている。
米NBCは12日「ミナ・チャン米国際開発庁(USAID)副長官が、本人の学歴を誇張し、以前のボランティアの経歴も誇張した」と暴露した。
ミナ・チャン氏はバージニアで生まれた在米韓国系2世だ。今年1月にトランプ大統領がUSAID副長官に直接指名し、全米で話題になった。USAIDは米国務省傘下の省庁で、毎年国務省と共に400億ドル(約4兆3600億円)もの予算を操る核心省庁だ。米政権が主管する国際援助プログラムを一手に引き受けているため、イスラエルのように米国の軍事援助を切に必要としている国から、食糧配給が必要な開発途上国に至るまで、かなりの範囲にその影響力が及んでいる。USAIDが単独で使える予算は最低でも10億ドル(約1100億円)だ。
これに加え、ミナ・チャン氏はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で一般の政府官僚としては異例の4万2000人のフォロワーを抱え、軍と官に華麗な人脈を誇っている。ミナ・チャン氏が自らSNSに投稿した写真には、ビル・クリントン元大統領、オルブライト元国務長官、ペトレイアス元中央情報局(CIA)長官、ブッシュ元大統領の「影の大統領」と呼ばれたカール・ローブ元ホワイトハウス顧問といった米政界の著名な人物たちが大勢登場する。さらに2009年に米国と韓国で正式にアルバムを発売した歌手だという異色の経歴まで加わり、ミナ・チャン氏は外交関係の経歴が全くないにもかかわらず「フィリピン大使内定説」がささやかれるなど、トランプ政権に将来を期待される若手のホープとして浮上した。
トランプ大統領は、上院にミナ・チャン氏を副長官として承認するよう自ら要請するなど力添えをした。トランプ大統領はミナ・チャン氏がハイチ、ソマリア、アフガニスタンを含む世界40か国以上の国で援助・開発支援政策の研究などを行う「リンキング・ザ・ワールド」の代表を務めていた経験を高く買ったという。リンキング・ザ・ワールドは、ドローンを利用して危機に直面している国の人命を救助したり、数十か国の奥地に学校を建設したりして認知度を高めてきた非営利の国際支援団体だ。
しかしNBCによると、ミナ・チャン氏が運営していたリンキング・ザ・ワールドの予算は、せいぜい30万ドル(約3300万円)程度だ。税金申告書を基に計算しても、1万ドル(約110万円)以上を海外で使ったという痕跡がなく、海外に滞在している職員が1人もいないことが分かった。NBCは「リンキング・ザ・ワールドが主導的に実施したという海外での支援活動に関して、事実かどうかを確認する道がない」と伝えた。
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