更年期障害や加齢による変化とよく似た症状を持つ甲状腺機能低下症。そのために見逃されやすく、適切な治療が遅れてしまうケースが少なくありません。今回は、甲状腺機能低下症の症状、早期発見の重要性、そして適切な治療法について詳しく解説します。
甲状腺機能低下症とは?
甲状腺機能低下症とは、甲状腺ホルモンの分泌量が不足することで、全身の代謝機能が低下する病気です。倦怠感、気分の落ち込み、体重増加など、更年期障害や加齢に伴う変化と似た症状が現れるため、見過ごされやすい点が特徴です。
いしだあゆみさんの写真
歌手のいしだあゆみさんも、この病気を患っていたことが報じられています。有名人の訃報を通して、改めてこの病気の認知度を高める必要性を感じます。
見逃しやすい症状と自己診断の落とし穴
甲状腺機能低下症の初期症状は、疲れやすさ、動悸、寒気、体重増加、気分の落ち込みなど、他の病気や加齢による変化と非常によく似ています。そのため、「年のせいかな」「疲れているだけだろう」と自己判断してしまい、発見が遅れてしまうケースが多いのです。
私自身も、50歳を目前に様々な体調不良に悩まされました。病院で検査を受けても異常なしと言われ続け、1年以上も原因不明の不調に苦しみました。最終的に専門医を受診し、甲状腺機能低下症と診断されました。
学校llの制作発表会見に臨むいしだあゆみさんの写真
なぜ血液検査で見逃されるのか?
一般的な健康診断では、甲状腺ホルモンの検査は含まれていません。そのため、自覚症状が軽微な初期段階では、血液検査を受けても異常なしと診断されることが多いのです。40歳以上の女性は特に発症リスクが高いため、健康診断に甲状腺ホルモン検査を追加することを検討しましょう。函館稜北病院・総合診療科の舛森悠医師も、早期発見の重要性を強調しています。
甲状腺機能低下症の放置によるリスク
甲状腺機能低下症を放置すると、コレステロール値の上昇、動脈硬化、心血管疾患などのリスクが高まります。さらに、粘液水腫と呼ばれる重篤な状態に陥ることもあり、意識障害、低体温、呼吸困難などを引き起こし、命に関わる危険性もあるのです。
適切な治療法と生活管理
甲状腺機能低下症の治療は、不足している甲状腺ホルモンを薬で補うことが基本です。治療自体は難しくありませんが、継続することが重要です。自己判断で服用を中止すると再発する可能性があるため、医師の指示に従って治療を続けましょう。
早期発見が健康を守る鍵
甲状腺機能低下症は決して珍しい病気ではなく、早期発見・早期治療が重要です。「加齢のせい」「更年期だから」と安易に自己判断せず、少しでも気になる症状があれば、医療機関を受診し、甲状腺ホルモンの検査を受けてみましょう。
まとめ
甲状腺機能低下症は、日常生活に大きな影響を与える可能性のある病気です。この記事が、皆様の健康管理の一助となれば幸いです。ご自身の健康状態に気を配り、早期発見・早期治療を心がけましょう。