岐阜県介護支援専門員研修:資料代過大徴収疑惑で波紋

岐阜県が指定し、県福祉事業団が実施する介護支援専門員実務研修で、資料代が過大に徴収されている可能性が浮上し、波紋を広げている。2023年度の包括外部監査で明らかになったこの問題は、介護業界全体の透明性と受講生の負担軽減という観点から、早急な対応が求められている。

研修資料代の不透明性

監査報告書によると、受講者は研修手数料4万2000円の他に、資料代として2万6300円を負担している。このうち1万780円は市販テキスト代だが、残りの1万5520円については明確な根拠が示されていない。監査では「実費相当額を超える費用を資料代名目で取得していると考えられる」と指摘し、受講者負担の速やかな見直しを促した。

岐阜県庁岐阜県庁

県高齢福祉課は、2023年度に162人がこの研修を修了したと発表。指摘を受け、事実関係の検証を進めているとしている。 介護支援専門員を目指す人々にとって、研修費用は大きな負担となる。透明性のある費用徴収は、より多くの人材育成を促進する上で不可欠だ。「介護人材育成支援協会」(仮称)代表の山田一郎氏(仮名)は、「研修内容の充実化はもちろん、受講しやすい費用設定も重要です。将来の介護を担う人材育成への投資は、社会全体の利益につながります」と語る。

SNS発信事業の高額な単価設定にも疑問符

また、介護の魅力発信事業においても、X(旧Twitter)への月3回、計36回の投稿に対し、委託先企業に130万円が支払われていたことが問題視されている。県は「定期投稿以外にも県主催イベントの告知が含まれている」と説明するが、監査では「1投稿あたり約3万6000円という高額な単価設定を是認する理由とはならない」として、価格設定の再検討を求めた。

効果的な情報発信は重要だが、費用対効果を常に意識する必要がある。ソーシャルメディアマーケティングに精通した田中花子氏(仮名)は、「SNS運用は戦略が重要。単に投稿するだけでなく、ターゲット層へのリーチやエンゲージメントを高める施策が不可欠です」と指摘する。

今後の対応に注目集まる

今回の監査結果を受け、県福祉事業団および県は、今後の対応を迫られている。研修資料代の透明化、SNS発信事業の費用対効果の向上など、具体的な改善策が示されるかが注目される。 介護業界の健全な発展のためにも、公正で透明性のある運営が求められる。

まとめ

岐阜県介護支援専門員研修における資料代過大徴収疑惑と、SNS発信事業の高額な単価設定問題は、介護業界の透明性と効率性に対する疑問を投げかけている。県と県福祉事業団には、速やかな調査と適切な対応が求められる。 これらの問題解決は、介護人材の育成と確保、そして介護サービスの質の向上に繋がる重要な一歩となるだろう。