広島県竹原市の大久野島、別名「うさぎ島」。500~600羽ものうさぎが自由に暮らし、観光客を癒すこの島で、うさぎ虐待事件が発生しました。動物愛護法違反で起訴された25歳男の初公判が3月26日、広島地裁呉支部で行われ、その衝撃的な動機が明らかになりました。
大久野島のうさぎ
犯行の動機:SNS動画の影響と抑えきれない衝動
被告は大学卒業後、会社員として働いていましたが、適応障害と診断され休職中でした。初公判では、当初は大久野島のうさぎを可愛がっていたものの、SNSでうさぎが虐待される動画を視聴するうちに、自身も虐待したいという衝動に駆られたと供述しました。
罪悪感と異常性への自覚
弁護人からの質問に対し、被告は「かわいそうと思う反面、虐待してみたいというよからぬ思いもあった」「自分は異常だと思った」と語り、罪悪感と異常性への自覚があったことを示唆しました。周囲に相談できなかった理由については、「この異常さを知られたくなかった。恥ずかしいという思いがあった」と述べています。
法廷の様子
専門機関への相談と社会復帰への展望
被告は犯行当時、感情と行動のコントロールができていなかったことを認識しており、専門機関のカウンセリングを受けることを検討しているとのこと。社会復帰後は、別居中の両親のもとへ帰る予定で、父親は同居と専門家への相談を通して監督していく旨の陳述書を提出しています。
動物虐待の深刻さと更生への期待
今回の事件は、SNSの影響による動物虐待の深刻さを改めて浮き彫りにしました。専門家であるA先生(仮名)は、「インターネット上の刺激的なコンテンツが、潜在的な衝動を顕在化させる可能性がある」と指摘しています。被告の更生と再発防止のためには、専門的なケアと家族のサポートが不可欠と言えるでしょう。
大久野島のうさぎと島の未来
この事件は、大久野島の平和なイメージを大きく揺るがすものでした。島民や観光客からは、うさぎの安全を守るための対策強化を求める声が上がっています。B氏(仮名、大久野島観光協会関係者)は、「二度とこのような事件が起こらないよう、島全体でうさぎの保護に努めていきたい」と語っています。
大久野島のうさぎたちが安心して暮らせる環境を取り戻し、再び癒しの島として多くの人々に愛されることを願うばかりです。