ディズニー社の多様性、公平性、包括性(DEI)への取り組みが、米連邦通信委員会(FCC)の調査対象となることが発表され、波紋が広がっています。FCCは、DEI推進によって雇用における「悪質な差別」が生じている可能性を指摘しており、ディズニー傘下の放送局ABCも併せて調査対象となっています。
DEI推進をめぐるFCCの懸念とは?
FCCは、通信・放送業界の規制機関であり、規制対象事業者に対して人種、宗教、性別などによる雇用差別を禁じています。今回の発表では、ディズニー経営陣がDEIを積極的に推進する中で、脚本家、監督、撮影スタッフなどの選考において少数派グループを優遇していた可能性が指摘されています。
altウォルト・ディズニー社のロゴ
FCCのブレンダン・カー委員長は、「ディズニーとABCが悪質なDEI差別を推進し、FCCの規制に準拠していない可能性がある」と懸念を表明。ディズニーは読売新聞の取材に対し、「FCCからの問い合わせに誠実に対応していく」と回答しています。
トランプ前大統領のDEI批判とFCC調査の関連性
トランプ前大統領は、バイデン前政権が推進したDEI政策を批判しており、人種的少数派への配慮に不満を持つ支持層の意見を反映していると考えられます。トランプ氏によって任命されたカー委員長は、DEIを推進する企業の合併や買収を承認しない可能性を示唆しており、今回のFCC調査との関連性が注目されています。(ブルームバーグ通信 2025年3月21日報道より)
DEIとは何か?改めてその意義を考える
DEI(Diversity, Equity, Inclusion)は、多様性、公平性、包括性を意味する言葉で、企業や組織において、人種、性別、宗教、性的指向、年齢、障害など、あらゆる属性の人々が平等に機会を得て、それぞれの能力を発揮できる環境づくりを目指す取り組みです。
多様な人材が活躍することで、企業のイノベーション促進や業績向上につながるとされています。一方で、DEI推進においては、公平性や透明性の確保、適切な評価基準の設定など、様々な課題も存在します。
alt多様性をテーマにした会議の様子
ディズニーのDEIに関する今後の動向
今回のFCC調査は、ディズニーのDEI推進における透明性と公平性を検証する重要な機会となるでしょう。調査結果によっては、ディズニーの企業イメージや今後の事業展開にも影響を与える可能性があります。今後の動向に注目が集まります。