台風19号 多摩川沿いマンション住民は… 高齢者ら支援へ前日行動






 上陸から1カ月がたった台風19号。大きな被害は、いざというとき命を守る行動をどう取るか、日頃から意識する重要性を突きつけた。浸水被害が想定されてきた地域では前日から被害に備え動いた人々もいた。「何十年に一度と言われる大雨は今後、毎年のように来るかもしれない」。多摩川近くのマンションの住民に、台風19号上陸前後にとった行動を聞いた。(津川綾子)

 ■つながり強化

 浸水被害は最大3~5メートル。50センチの浸水は12時間続く-。目前を流れる多摩川が氾濫した場合、「パークハウス多摩川」(東京都大田区)では、そんな被害が想定されている。

 先月12日に上陸した台風19号では被害を免れたが、パークハウス住民の有志は、前日から命を守るための行動をとっていた。

 「何かあったら遠慮なくお電話をくださいね」

 上陸前日の11日午後。「台風19号への備え」と書かれたチラシを手に、住民組織「たまこ」のメンバーが高齢者宅を訪ねて回った。雨は小降りだったが、あらかじめテレビやラジオで情報収集し、避難などに困ったら、「たまこ」に連絡するように伝えた。

 「たまこ」はパークハウスの元自治会役員を中心に今年2月、9人で立ち上げた一般社団法人。竣工(しゅんこう)から約30年がたち、住民の高齢化も進む中、地域のつながりの強化や防災力の向上などを目指して活動している。

 ■命を守る方法

 9月30日には住民を対象に、家庭ごとの避難行動計画となる「マイ・タイムライン」の作り方を専門家から学ぶ講座を開催。まず浸水被害想定を把握し、被災時に命を守るための情報収集の方法や、避難のタイミングと向かう先などを各自が考え、話し合った。

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