麻雀といえば、友人や家族と楽しむ娯楽というイメージが強いでしょう。しかし、その裏では高額な賭け麻雀が横行し、摘発されるケースも後を絶ちません。2月26日、東京・上野の麻雀店「麻雀Jewel(ジュエル)上野店」が警視庁に摘発され、従業員や客らが逮捕されました。一見普通の雀荘に見えたこの店、一体何が問題だったのでしょうか?
テンピンでも高額チップでインフレ麻雀
賭け麻雀の世界では、1000点100円の「テンピン」と呼ばれるレートが一つの基準となっています。テンピンまでは黙認されるという風潮もあるようですが、ジュエルでは、一見テンピンでありながら、実際にははるかに高額な賭けが行われていたといいます。
そのカラクリは、特殊牌を使った際に発生する高額チップ。特殊牌があがりに絡むと、チップの総額が2倍になったり、点数が倍増したりするため、通常のテンピンとは比べ物にならない金額が動くのです。現役プロ雀士のA氏によると、「一晩で30万円負けたという話も珍しくない」とのこと。
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「ピン東」ルールで回転率アップ、売上も急増
さらに、ジュエルでは「ピン東」と呼ばれるルールを採用していました。通常の麻雀は東南戦で、1ゲームに1時間弱かかりますが、ピン東は東風戦で、約20分で決着がつきます。回転率が上がるため、それだけ動く金額も大きくなるのです。まるで、9回まで戦うプロ野球を5回で終わらせるようなもの。短時間で勝負が決まるため、熱中しやすいという側面もあるでしょう。
ジュエルの摘発は、暴力団対策課が担当しました。これは、売上げの一部が暴力団に流れていた疑いがあるためです。また、SNSで堂々とイベント告知をするなど、挑発的な姿勢も警察の怒りを買った一因とみられています。
違法麻雀の温床「ピン東雀荘」の実態
近年、ジュエルのようなピン東雀荘が増加傾向にあります。一見テンピンに見せかけながら、特殊ルールや高額チップで客から多額の金銭を巻き上げる手法は、違法行為であることは言うまでもありません。
麻雀は本来、知的で楽しいゲームです。健全な娯楽として楽しむためにも、違法な賭け麻雀には絶対に手を出さないようにしましょう。Bさん(仮名・40代男性)は、「軽い気持ちで始めた賭け麻雀で、あっという間に数百万円の借金を抱えてしまった」と語っています。違法麻雀の危険性を改めて認識し、健全な麻雀ライフを送りましょう。