野菜価格高騰の中、追い打ちをかけるように深刻な問題が発生しています。大分県内では、収穫間近のブロッコリーやキャベツなどの野菜がヒヨドリの大群に食い荒らされ、販売できない事態が相次いでいます。今年は特に被害が甚大で、農家の方々は頭を抱えています。一体何が起きているのでしょうか?この記事では、被害の実態と専門家の見解、そして農家の苦悩に迫ります。
ヒヨドリの大群襲来!収穫前の野菜が餌食に
日出町でブロッコリー、白菜、キャベツなどを栽培し、直売所で販売している徳久裕司さんの畑では、連日ヒヨドリの大群が襲来しています。例年2月頃からヒヨドリの飛来は見られるものの、今年はその数が桁違いとのこと。多い日には500羽ものヒヨドリが畑を埋め尽くし、収穫前の野菜を食い荒らしていく光景は、まさに悪夢のようです。
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爆竹などの大きな音で追い払おうとするも、その効果は微々たるもの。すでに収穫前の野菜の約3割が被害に遭っており、「収益が大幅に下がる。行政にもヒヨドリ対策をしてもらいたい」と徳久さんは悲痛な声を上げています。
国東市でもキャベツ畑が壊滅状態に
国東市でも同様の被害が報告されています。加工用キャベツを栽培する松原雅之さんの約1.6ヘクタールの畑は、収穫のピークを迎えるはずが、ヒヨドリの食害によって壊滅状態に。キャベツはことごとく食い荒らされ、出荷できる状態ではありません。
「ヒヨドリが飛んできてはつつき、また飛んできてはつつく…その繰り返しで、畑はこのようになってしまった」と松原さんは途方に暮れています。被害額は約300万円にも上るとのこと。それでも松原さんは、「来年に向けて気持ちを切り替え、また頑張りたい」と前を向こうとしています。
専門家「山の木の実不足が原因か」
なぜ今年はヒヨドリの被害がこれほどまでに深刻化しているのでしょうか?日本野鳥の会大分県支部は、「夏の暑さなどの影響で山の木の実が不足し、ヒヨドリが人里に餌を求めて降りてきているのではないか」と分析しています。
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深刻なヒヨドリ被害は、野菜価格の高騰にも拍車をかける可能性があります。農家の懸命な努力が報われるよう、効果的な対策が求められています。