はま寿司で相次ぐ衛生問題とゼンショーグループの「食の安全」危機

外食チェーン大手ゼンショーグループが展開する「はま寿司」で、衛生上のトラブルが再び発生し、消費者の間で「食の安全」への懸念が深まっています。特に子供が関わる深刻な健康被害が相次いでおり、企業としての抜本的な対策が求められています。

はま寿司で発生した最新のトラブルと背景

2025年8月19日、はま寿司は公式サイトで「洗剤が付着した商品のご提供に関するお詫びとご報告」を発表しました。この事案は8月17日、宮城県内の「はま寿司 名取杜せきのした店」で提供されたアイスの容器に洗剤が付着しており、それを口にした3歳の女児が嘔吐や発熱などの体調不良を訴え、緊急入院に至ったものです。従業員がキッチンの消毒用洗剤をアイス保管用の冷凍庫の上に置いたことで洗剤が漏れ出し、容器に付着したことが原因とされています。はま寿司側は、この事案がマニュアルからの逸脱によって発生したものだと説明しています。

はま寿司の外観イメージ。同社グループで相次ぐ食の安全問題への懸念が高まっている。はま寿司の外観イメージ。同社グループで相次ぐ食の安全問題への懸念が高まっている。

繰り返される不祥事と世論の反応

今回の件は、はま寿司にとって初めての衛生トラブルではありません。過去にも類似の事案が報じられており、ネット上では批判の声が相次いでいます。「すき家のネズミ事件といい、生死に関わる問題で怖い」「ゼンショーは何も学んでいない」といった厳しい意見も散見され、同じゼンショーグループの牛丼チェーン「すき家」で過去に発生した異物混入問題と比較する声も上がっています。

ゼンショーグループが抱える過去のトラブル

ゼンショーグループでは、これまでにも複数の食品安全に関わる問題が報告されています。特に有名なのが、2025年3月に鳥取県のすき家店舗でみそ汁にネズミの死骸が混入していた事件です。はま寿司自体も、同年3月にはマグロが冷凍されたまま提供される品質管理の問題、4月には吸水シートが天ぷらに混入する異物混入、7月には茶碗蒸しの中に甘ダレの小袋が混入するなど、立て続けにトラブルを起こしています。

人手不足とマニュアル遵守の課題

飲食業界関係者は、こうした事案が多発する背景には深刻な人手不足があると指摘します。今回の洗剤付着も、マニュアルを十分に把握していない従業員の人為的ミスが原因とされており、経験の浅い人員が配置されている可能性が指摘されています。すき家では「ワンオペレーション」の廃止、深夜料金の導入、2025年4月からの24時間営業見直しと清掃時間の確保など、改善に向けた取り組みが進められています。しかし、同じグループのはま寿司で衛生問題が相次ぐ現状は、グループ全体の企業体質そのものが問われる事態と言えるでしょう。

まとめ

相次ぐ衛生トラブルは、消費者の「食の安全」に対する信頼を大きく揺るがしています。特に子供の健康に関わる問題は、企業の社会的責任が厳しく問われるべきです。ゼンショーグループ全体として、マニュアルの徹底、従業員教育の強化、そして根本的な人手不足への対策など、抜本的な改善策を講じ、消費者が安心して利用できる環境を早急に確立することが求められています。


参考文献

  • Yahoo!ニュース (記事掲載元)