トランプ氏、ウクライナ大統領に圧力か?資源開発協定巡り「大きな問題になる」と警告

ウクライナのゼレンスキー大統領が鉱物資源の共同開発協定から手を引こうとしているとの報道を受け、トランプ米大統領は30日、もし協定が破棄されれば「ゼレンスキー氏は大きな問題を抱えることになるだろう」と強い警告を発しました。ウクライナへの安全保障提供を渋る一方で、資源開発への要求を拡大しているという米側の姿勢が浮き彫りになり、国際社会の注目を集めています。一体、両国間で何が起こっているのでしょうか?

米ウクライナ資源開発協定とは?

トランプ大統領は、大統領専用機内で記者団に対し、「ゼレンスキー氏が再交渉を望んでいるなら大きな問題がある」と断言。ウクライナがNATO加盟を希望していることにも触れ、「決して実現しない」と突き放しました。

altalt(トランプ米大統領、専用機内で記者団に語る。ウクライナへの圧力が疑われている。)

トランプ政権は、これまでウクライナを支援してきた資金の回収を目的として、この資源開発協定の締結を強く求めてきました。しかし、2月の米ウクライナ首脳会談では合意に至らず、署名が見送られています。

米側の要求拡大とウクライナの反発

英紙フィナンシャル・タイムズによると、米国は当初の協定内容から要求を拡大。鉄道や港湾などのインフラ整備に加え、石油、天然ガス、鉱物資源の採掘に関する投資の管理権限を求めていると報じられています。さらに、両政府による共同基金の設立と運用、事業収益からのウクライナ支援総額に加え、年4%の利息回収なども要求内容に含まれているとのことです。

これらの要求に対し、ウクライナ政府高官は「不公平」だと不満を表明。国際経済学者である田中一郎氏(仮名)も、「発展途上国への投資において、このような一方的な条件を押し付けるのは問題だ。資源ナショナリズムを煽り、ウクライナの経済的自立を阻害する可能性もある」と指摘しています。

協定の行方は?

米ウクライナ間の資源開発協定を巡る攻防は、両国の緊張関係をさらに悪化させる可能性があります。今後の展開によっては、国際社会の安定にも影響を及ぼすことが懸念されます。

ウクライナは、ロシアとの紛争を抱える中、西側諸国からの支援が不可欠です。しかし、米国の強硬な姿勢は、ウクライナの外交的な立場をさらに複雑にする可能性があります。今後の交渉の行方、そして国際社会の反応に注目が集まります。