【シネマプレビュー】LORO 欲望のイタリア


 汚職、買春、巨額の慰謝料が絡む離婚騒動、失言の数々…。何かと物議を醸す政治家として知られるイタリアのベルルスコーニ元首相がモデル。元外信部記者の評者としては、あのお騒がせ元首相がどう描かれているか興味津々で見た。

 監督は“映像の魔術師”と呼ばれる名匠パオロ・ソレンティーノ。前半は、まさに酒池肉林という形容がぴったりな退廃的なパーティー・シーンが登場する。後半は、老齢となった男の尽きぬ野心や妻との確執、哀愁が描かれ、心を揺さぶられる。女性の立場からすると、好みが分かれる作品かもしれない。15日から東京・Bunkamuraル・シネマ、大阪・シネ・リーブル梅田などで全国公開。2時間37分。(啓)

 ★★★☆(★5傑作 ★4見応え十分 ★3楽しめる ★2惜しい ★1がっかり ☆は半分)



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