日本大アメリカンフットボール部の悪質反則問題で、傷害罪で刑事告訴された内田正人前監督と井上奨(つとむ)前コーチ、傷害容疑で書類送検された宮川泰介選手の計3人について、東京地検立川支部がいずれも不起訴処分とする方針を固めたことが14日、関係者への取材で分かった。15日にも処分する方針。この問題をめぐる一連の捜査は終結することになる。
警視庁捜査1課は今年2月、内田前監督と井上前コーチについて、宮川選手に危険なタックルを指示した事実はなく、共犯や教唆の嫌疑なしとする捜査結果の書類を地検支部に送付した。
昨年5月に関西学院大選手にタックルした宮川選手については、約4週間のけがをさせたとする傷害容疑で書類送検。宮川選手は調べに故意を認めており、被害者側との示談が成立していることなどから、検察に判断を委ねる「相当処分」の意見を付けていた。
地検支部は改めて本人や関係者から聴取するなどした結果、内田前監督らについては犯罪の嫌疑なし、宮川選手については犯罪事実は認められるものの、起訴する必要はないと判断したとみられる。
一方、宮川選手は、記者会見を開き、内田前監督らの指示だったと説明していた。日大の第三者委員会も内田前監督と井上前コーチの指示を認め、日大は昨年7月に2人を懲戒解雇処分とした。内田前監督は処分無効を求めて日大を提訴している。