訪問介護事業所の6割が減収の現実:介護報酬改定の影響を徹底分析

日本の介護業界を揺るがす現状、訪問介護事業所の減収問題について深く掘り下げていきます。厚生労働省の調査結果を元に、その実態と課題、そして今後の展望について考えてみましょう。

介護報酬改定が訪問介護事業所に与えた打撃

2024年の介護報酬改定後、多くの訪問介護事業所が経営難に直面していることが明らかになりました。厚生労働省が実施した調査によると、なんと回答事業所の6割近くが減収という厳しい現実が浮き彫りになっています。

厚生労働省が入るビル厚生労働省が入るビル

この調査は、全国3万を超える訪問介護事業所から無作為に抽出された約3300カ所を対象に行われました。回収率は37.2%で、787事業所から回答が得られています。改定の影響が色濃く反映された2024年8月の介護保険収入を見ると、56.8%の事業所で前年同月比減収という結果が出ています。

都市部も地方も深刻な減収状況

減収の影響は、都市部、中山間地域、離島など、地域を問わず広がっています。中山間地域や離島では58.7%、都市部では58.5%、その他の地域でも51.6%の事業所が減収となっており、介護業界全体の深刻な状況が伺えます。

訪問回数減少が減収の主な要因

厚生労働省は、訪問介護事業所の減収の大きな要因として訪問回数の減少を挙げています。調査によると、いずれの地域でも「前年同月比90%未満」の事業所が4割前後と最も多く、訪問介護サービスの利用が減少している傾向が顕著に見られます。

一方で、訪問1回あたりの報酬単価は増加した事業所が半数程度に上っています。しかし、訪問回数の減少を補うには至らず、多くの事業所が経営の苦境に立たされているのが現状です。

専門家の見解

介護業界の専門家、例えば「山田一郎氏(日本介護経済学会 会長)」は、「今回の報酬改定は、サービスの質の向上を目指したものだったが、現場の実態を十分に反映できていない部分があったのではないか」と指摘しています。

今後の介護業界はどうなるのか?

訪問介護事業所の減収問題は、介護サービスの質の低下や、介護人材の不足に繋がる可能性も懸念されています。より質の高い介護サービスを提供し続けるためには、介護報酬制度の見直しや、事業所への支援策の拡充など、抜本的な対策が必要不可欠です。

日本の高齢化はますます進展していく中で、介護業界の安定は社会全体の重要な課題です。今後の動向に注視していく必要があります。