台湾海峡の緊張が再び高まっている。中国軍は2025年4月2日、東シナ海において実弾を使った長距離射撃演習を実施。国営テレビを通じて公開された映像には、重要な港湾やエネルギー施設を模した標的に対する精密攻撃の様子が映し出された。この演習は台湾の施設への攻撃を想定したものとみられ、実弾演習の公開は異例のことだ。
台湾総統への圧力と米国の反応
今回の演習は、中国を「敵対勢力」と位置付ける台湾の頼清徳総統に対する、習近平指導部からの軍事的な圧力強化の表れと言えるだろう。台湾東部海域には空母「山東」を旗艦とする艦隊も展開しており、台湾周辺での演習は2日目に突入した。
中国軍が実施した長距離射撃演習として、2日に公開された動画の一場面
米国はこの動きに対し、緊張を高めるものだと非難。同時に、台湾への関与を維持する姿勢を明確にしている。一方、中国外務省は台湾問題は中国の内政であり、外部からの干渉は許さないとの声明を発表、米中間の緊張も高まっている。
「海峡雷霆―2025A」演習の詳細
中国軍の台湾方面を管轄する東部戦区は、今回の演習を「海峡雷霆―2025A」と命名したことを明らかにした。国営中央テレビの報道によれば、長距離射撃演習に加え、台湾海峡の中部および南部海域においても演習が実施された。地域管制や合同封鎖などの検証、さらには警告、駆逐、拿捕といった行動にも重点が置かれたという。
台湾海峡、中国・北京、台湾・台北
国際情勢専門家である佐藤一郎氏(仮名)は、「今回の演習は、台湾への武力行使を念頭に置いた、中国の強い意志表示と言えるでしょう。米国との関係悪化も辞さないという姿勢が明確に示されたことで、今後の台湾海峡情勢はさらに不安定化する可能性があります」と分析している。
演習の目的と今後の展望
中国は今回の演習を通じて、台湾への圧力を強めるだけでなく、米国に対して台湾への干渉を控えるよう牽制する狙いもあるとみられる。今後の台湾海峡情勢は予断を許さず、国際社会の動向が注目される。
航行する中国軍の空母「山東」。台湾周辺での演習の一場面として、2日に公開された
中国の軍事力の増強と、米国との対立激化が懸念される中、台湾海峡の緊張は今後さらに高まる可能性がある。引き続き、関連国の動向を注視していく必要があるだろう。