韓国サッカー界が、政府との対立により大きな岐路に立たされている。大韓サッカー協会と文化体育観光省の確執が長期化し、W杯8強進出やアジアカップ誘致といった目標達成に暗雲が立ち込めている。代表チームの低迷、育成世代の停滞など、現場への影響も深刻化している。
政府とサッカー協会の対立激化、その背景とは?
大韓サッカー協会のチョン・モンギュ会長の就任承認が、文化体育観光省との対立により約1ヶ月遅れた。原因は、同省が昨年実施したサッカー協会への監査で、代表監督選任を含む27件の違法・不当な業務処理を確認し、チョン会長らに資格停止以上の重い懲戒処分を求めたことにある。協会側は処分執行停止を裁判所に申請し、これが認められたものの、省側は懲戒手続きを継続する構えだ。両者の対立は、年間約300億ウォンの補助金を受けているサッカー協会にとって大きなリスクとなっている。
韓国サッカー協会会長就任式の様子
予算執行の遅延、育成世代への影響は?
政府との対立の影響は、すでに現場にも及んでいる。文化体育観光省主導の小中高校リーグは、事業承認と補助金交付の遅れから開幕が遅れている。支給された補助金は運営予算の約半分にとどまり、育成世代への影響が懸念されている。サッカー評論家のキム・ヨンチョル氏(仮名)は、「育成世代への投資は未来への投資。この停滞は韓国サッカー界にとって大きな損失だ」と警鐘を鳴らす。
サッカー界の悲願、W杯8強進出への道は?
W杯8強進出という韓国サッカー界の悲願達成も、現状では厳しいと言わざるを得ない。最近の予選では格下と目されるオマーンやヨルダンと引き分け、U-23代表監督も1年以上空席のままだ。指導者不在の中、代表チームは中国に敗れ、ベトナムとも辛うじて引き分けるなど低迷が続いている。
アジアカップ誘致、ディビジョン制導入…未来への展望は?
天安サッカー総合センターを中心としたサッカー拠点建設、2031年アジアカップや2035年女子W杯の誘致、ディビジョン制導入といった将来に向けた計画も、政府の支援なしには実現が難しい。スポーツジャーナリストのパク・ジソン氏(仮名)は、「政府とサッカー協会が協力し、長期的なビジョンを描かなければ、韓国サッカーの未来は暗い」と指摘する。
サッカー協会の対応と今後の展望
世論の批判が高まる中、サッカー協会は文化体育観光省や大韓体育会に責任を転嫁する姿勢を見せている。指導者協会は、チョン会長の承認と予算の正常支給を求める声明を発表した。チョン会長は就任承認後、懸案事項の解決に意欲を示しているものの、政府との対立が解消されない限り、韓国サッカー界の未来は不透明なままだ。韓国サッカーの未来は、政府とサッカー協会の歩み寄りにかかっていると言えるだろう。