香港に改善要請 自民が決議 デモ隊と警察の衝突「深い憂慮」





中山泰秀・自民党外交部会会長

 混乱が続く香港情勢をめぐり、自民党外交部会(部会長・中山泰秀元外務副大臣)などは15日、党本部で合同会議を開き、事態の改善や在留邦人の安全確保を香港当局に求める決議文を採択した。中山氏は会議後、記者団に「国際社会も憂いており、平和裏に解決してほしいと誰しもが思っている」と述べた。

 決議文は今後、同党の岸田文雄政調会長にも手渡される。全文は次の通り。

 わが国にとって、香港は、緊密な経済・人的交流を有する極めて重要なパートナーである。「一国二制度」の下での自由で開かれた香港は、地域の繁栄と発展にとっても重要な役割を果たしている。ここに最近の香港情勢に強い懸念を表明するとともに、以下決議する。

 (1)香港での抗議活動において、デモ隊と警察の衝突により死者・多数の負傷者が出ていることに、深く憂慮する。

 (2)香港が、「一国二制度」の下、従来の自由で開かれた体制を維持し、民主的に力強く発展していくことを期待するとともに、関係者に対して、自制と平和的な話し合いを通じた解決を求める。

 (3)香港特別行政区政府には、事態の改善に向けた努力とともに、特に警察による香港市民への発砲事案、抗議活動に参加した学生の死亡事案について、事実関係の情報開示を求める。さらに、香港に進出する多くの日本企業や多数の在留邦人、香港に旅行する邦人の安全確保を強く要請する。

 (4)日本政府に対しては、中国政府および香港特別行政区政府に対し、関係者による自制と対話による平和的解決、「一国二制度」の下での自由で開かれた香港の維持・発展、人権の尊重や法の支配について、首脳はもちろん、あらゆるレベルを通じて適切な機会を捉え働きかけるよう求める。また、邦人保護のため適時、適切な対応・取り組みを行うよう要請する。



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