8月下旬に入ってもなお、厳しい残暑が日本列島を覆っています。特に東京都心では本日で5日連続の猛暑日(最高気温35℃以上)を記録し、8月における猛暑日日数としては過去最多タイとなりました。今週末も東日本を中心に危険な暑さが続きますが、関東における酷暑のピークは今週末までと見られています。来週、そして9月に入っても平年よりは気温が高いものの、35℃以上の連続記録は内陸部に限られる見込みです。
東京都心、8月の猛暑日が過去最多の11日目に
本日も全国各地で35℃以上の猛暑日が続出しました。東京都心では35.2℃まで気温が上昇し、5日連続の猛暑日となりました。これにより、今月の猛暑日日数は11日目を迎え、8月としては2020年に並ぶ過去最多記録を更新しました。年間で見ても、2023年の22日、2024年の20日に次いで、過去3番目に多い日数となっています。
8月22日(金)の全国最高気温分布図。東日本を中心に35℃以上の猛暑日が広がる様子を示す
8月14日(木)からの東京都心における気温推移グラフ。連日の猛暑日を記録し、暑さが続く様子を示す
この土日も東京では35℃の猛暑日が予想されており、前橋や熊谷(埼玉)など内陸部では38℃近くまで気温が上がる地点がありそうです。引き続き、熱中症への厳重な警戒が不可欠であり、暑さによる疲労の蓄積にも十分なケアをして過ごすよう心がけましょう。
8月23日(土)と24日(日)の関東地方の天気と予想気温。内陸部で特に高温が予想され、猛暑日が続く
来週は雲多く、暑さもやや和らぐ見込み
来週の関東地方は、今週に比べて雲が広がる日が多くなり、暑さもやや落ち着く見込みです。週明け25日(月)は、海からの冷たく湿った空気が流れ込む影響で、予想よりも気温が低くなる可能性があります。26日(火)以降も、35℃以上の猛暑日となるのは前橋や熊谷(埼玉)などの内陸部が中心となるでしょう。来週後半には、関東各地で最高気温が32℃前後に落ち着く地点が多くなりそうです。
関東地方の週間予報。来週は雲が広がり、一部で気温がやや和らぐ見込みだが、依然として高い
9月も全国的に平年より高温傾向が続く
昨日(21日)発表された最新の1か月予報によると、向こう1か月も全国的に気温は平年より高く推移する見込みです。東京における9月の猛暑日日数は平年では0.3日と、ほとんど観測されませんが、過去には2010年に3日、1942年、1984年、1992年、2019年には2日(1984年、1992年、2019年は2日連続)を記録したことがあります。今年も9月に35℃以上が観測される可能性は十分にあります。今年は早い時期から厳しい暑さが続いており、知らず知らずのうちに暑さ疲れがたまっている恐れがあるため、引き続き体調管理には十分な注意が必要です。
最新の1か月予報における全国の平均気温偏差図。向こう1か月も平年より気温が高い地域が多いことを示す
猛暑は今週末が関東のピークとなるものの、残暑は長く続く見込みであり、9月も平年より高い気温が予想されます。引き続き、こまめな水分補給、適切な休憩、エアコンの使用など、熱中症予防対策を徹底し、自身の体調変化には特に敏感になり、無理せず過ごしましょう。
(気象予報士・多胡安那)