米国ドナルド・トランプ前大統領が2025年4月に発表した関税政策は、世界経済に大きな波紋を広げました。当初、相手国の「為替操作と貿易障壁」に基づくと説明されていた関税率ですが、実際には驚くほどシンプルな計算式で算出されていたことが明らかになり、物議を醸しています。
トランプ前大統領の関税計算式とは?
トランプ前大統領は、中国に34%、EUに20%、インドに26%といった関税率を発表しました。当初、この数字は「関税、非金融障壁、その他の不正行為を合算した税率」を「配慮」して半分にしたものだと説明していました。しかし、専門家やメディアの分析により、実際には相手国の対米貿易黒字額を対米総輸出額で割り、0.5を掛けただけの単純な計算式が使われていたことが判明しました。
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例えば、中国のケースを見てみましょう。2024年の中国の対米貿易黒字は2950億ドル、対米輸出額は4380億ドルでした。2950億ドルを4380億ドルで割ると約67%となり、これを半分にするとトランプ前大統領が発表した関税率34%に近い数字が導き出されます。
専門家からの批判
地政学リスク専門のコンサルティング会社ユーラシア・グループの創設者であるイアン・ブレマー氏は、この計算式はトランプ前大統領が中国、EU、インドネシア、インド、ベトナムに対して発表した関税率と一致すると指摘し、「信じがたいほど愚かだ」と批判しました。 この単純な計算式は、貿易における複雑な要因を無視しており、国際的な貿易摩擦を激化させる可能性があると懸念されています。
米国製品の輸入増加は現実的か?
米通商代表部(USTR)は複雑な計算式を公表しましたが、実際には前述の単純計算式とほぼ同じ結果になることが分かっています。このアプローチは、各国がより多くの米国製品を輸入すれば関税を引き下げられることを示唆しています。しかし、仏投資銀行ナティクシスのシニアエコノミスト、トリン・グエン氏は、アジア諸国、特に経済的に発展途上の国々にとって、米国製品の輸入増加は現実的に難しいと指摘しています。米国製品は価格が高く、これらの国々の購買力では対応できないためです。
貿易摩擦の激化
この関税政策は、貿易摩擦の激化につながる可能性があります。各国が報復関税を課すことで、世界経済に悪影響を及ぼすことが懸念されています。 今後の貿易交渉の行方によっては、更なる経済的混乱が生じる可能性も否定できません。
まとめ:今後の展望
トランプ前大統領の関税政策は、その算出方法の単純さと、国際貿易の複雑な要素を無視している点で、多くの批判を浴びています。今後の世界経済への影響が懸念される中、各国政府や国際機関の対応が注目されます。