近年、賃上げのニュースを耳にする機会が増えてきましたが、手取りはなかなか増えないと感じる方も多いのではないでしょうか。一体なぜなのでしょうか?作家の橘玲氏は新著『新・貧乏はお金持ち』の中で、「真面目に働くサラリーマンほど国に搾取されている」と指摘し、この罠から逃れるための「貧乏はお金持ち」戦略を提唱しています。本記事では、その戦略のエッセンスをご紹介します。
16年の歳月で常識が逆転?
2009年に出版された『貧乏はお金持ち』から16年。時代と共に経済状況は大きく変化し、お金を守るための常識も逆転しました。特に顕著な変化が見られるのが、マイクロ法人における納税戦略です。
マイクロ法人とは?
マイクロ法人とは、取締役が一人、もしくは家族だけで構成される小規模法人のことです。自営業者が法人化することで、「個人」と「法人」という二つの“人格”を持つことができるようになります。
以前は、マイクロ法人を活用した節税対策として「法人を赤字にして個人で納税する」ことが一般的でした。しかし、現在は「個人の所得を下げて法人で納税する」という、正反対の戦略が有効となっています。
マイクロ法人と個人事業主
なぜ法人で納税する方が有利になったのか?
この変化の背景には、法人税率の引き下げと個人所得税の累進課税制度があります。
法人税率の引き下げ
「法人税率が高い」という国際的な批判を受け、日本の法人税率は2012年から2018年にかけて段階的に引き下げられました。さらに、資本金1億円以下の法人には軽減税率が適用され、実効税率は最低で18.5%まで下がっています。
個人所得税の累進課税
一方、個人所得税は累進課税制度を採用しており、所得が増えるほど税率が高くなります。住民税と合わせると、実効税率は最大で55%にも達します。
これらのことから、多くの場合、法人で納税する方が税負担を軽減できるようになっています。
節税だけが目的ではない「貧乏はお金持ち」戦略
橘氏は、単なる節税だけでなく、お金に縛られず自由に生きるための戦略として「貧乏はお金持ち」を提唱しています。それは、お金を稼ぐことよりも、お金に支配されない生き方を選択すること。
例えば、法人化によって得た資金を自己投資に回し、スキルアップや新たな事業展開に繋げる。あるいは、生活コストを抑え、時間や心のゆとりを手に入れる。
「貧乏はお金持ち」戦略は、お金の使い方、そして人生の価値観を問い直すきっかけとなるでしょう。
「新・貧乏はお金持ち」で賢くお金と付き合おう
お金は人生を豊かにするためのツールであり、目的ではありません。橘氏の提唱する「貧乏はお金持ち」戦略は、お金に振り回されることなく、自分らしい人生を歩むためのヒントを与えてくれます。『新・貧乏はお金持ち』で、賢くお金と付き合う方法を学んでみてはいかがでしょうか。