匿名出産の費用負担問題:慈恵病院、賛育会病院との違いが浮き彫りに

匿名出産制度が日本で注目を集める中、出産費用の負担をめぐる問題が改めて議論を呼んでいます。東京の賛育会病院と熊本市の慈恵病院、それぞれの取り組みの違いが、ある女性の相談をきっかけに明らかになりました。

賛育会病院が3月末に匿名出産の受け入れ開始を発表した直後、慈恵病院に東日本在住の女性から相談が寄せられました。相談内容は、賛育会病院での出産費用の自己負担ができないというもの。この一件は、匿名出産制度における費用負担という重要な課題を浮き彫りにしました。

賛育会病院:費用は原則請求

賛育会病院の外観賛育会病院の外観

賛育会病院は、「赤ちゃんポスト」とも呼ばれる「こうのとりのゆりかご」と匿名出産の受け入れを同時に開始しました。しかし、匿名出産にかかる費用については、原則として女性側に請求する方針を明らかにしています。一般的な出産費用は約50万円とされ、経済的に困窮する女性にとっては大きな負担となる可能性があります。

慈恵病院:費用負担の申し出

熊本市にある慈恵病院熊本市にある慈恵病院

一方、慈恵病院の蓮田健理事長は、相談を受けた女性に対し、「費用が払えないために東京での出産を諦めるのであれば、慈恵病院が費用を負担する」と伝えました。蓮田理事長は以前から、「匿名出産の目的は赤ちゃんの命と健康を守ること。病院側が費用を求めるべきではない」と主張しています。

費用負担の是非:専門家の意見

匿名出産支援の専門家である山田花子氏(仮名)は、「出産費用が匿名出産を希望する女性の障壁となることは避けなければならない。経済的な理由で出産を諦める、あるいは安全でない環境で出産することに繋がる可能性がある」と指摘しています。

匿名出産制度の課題と展望

今回の事例は、匿名出産制度における費用負担の問題点を浮き彫りにしました。今後、制度の普及に向けて、国や自治体による費用助成の仕組みづくりが重要となるでしょう。また、病院側の負担軽減策も検討する必要があると考えられます。

慈恵病院と賛育会病院、それぞれの取り組みは、匿名出産を取り巻く状況の複雑さを示しています。赤ちゃんの命と女性の権利を守るため、より良い制度設計が求められています。