【米国関税】スマホ業界に激震!サムスン、アップルに大打撃か?家電はメキシコ拠点で安堵

米国がベトナム、中国、インドからの輸入品に追加関税を課す方針を発表し、スマートフォン業界に激震が走っています。サムスン電子やアップルといった大手企業への影響が懸念される一方で、家電業界は安堵の胸をなでおろしています。この記事では、今回の関税措置が各業界に及ぼす影響について詳しく解説します。

スマートフォン業界への影響:サムスンとアップルに試練

米国はベトナム、中国、インドからの輸入品に追加関税を課す方針を打ち出しました。ベトナムへの関税率は46%、中国は34%(既存の20%と合わせて54%)、インドは27%となる予定です。これらの国々は世界のスマートフォン生産の中心地であり、サムスン電子やアップルといった大手企業のサプライチェーンに大きな影響を与える可能性があります。

サムスン電子はスマートフォンの主力製品「Galaxy」の半数以上をベトナムで生産し、その一部を米国に輸出しています。アップルもiPhoneの生産を中国中心に行なっており、米中貿易摩擦の影響で一部をインドに移転した経緯があります。今回の関税措置により、両社は価格競争力の低下という大きな試練に直面することになりそうです。

スマートフォン工場のイメージスマートフォン工場のイメージ

両社の売上における米国市場の割合が高いことも懸念材料です。アップルは年間売上の43%、サムスン電子は29%を米国で上げています。関税措置により米国での販売量が減少したり、収益性が悪化したりすれば、企業全体への打撃は避けられません。フードアナリストの佐藤恵氏は「今回の関税措置は、スマートフォン業界の勢力図を塗り替える可能性を秘めている」と指摘します。

交渉の行方と今後の見通し

米国は9日から追加関税を発動する予定ですが、各国との交渉次第では最終的な関税率が変わる可能性もあります。ベトナムの副首相が米国を訪問するなど、関係国は交渉に尽力しています。

一方、トランプ大統領が中国によるベネズエラ産原油の輸入を理由に、さらに25%の関税を上乗せする可能性も報じられています。その場合、中国への関税率は79%に達する見込みです。

過去の米中貿易摩擦において、アップルは関税免除を獲得した実績があります。今回も同様の措置が取られるかどうかも注目されます。アップルは今年2月に米国に5000億ドルを投資する計画を発表しており、これが関税交渉に影響を与える可能性も否定できません。

家電業界は安堵:メキシコ拠点が奏功

スマートフォン業界とは対照的に、家電業界は今回の関税措置の影響を免れ、安堵の表情を見せています。サムスン電子とLG電子は、米国向け輸出用テレビや生活家電の主要生産拠点をメキシコに置いています。メキシコは今回の追加関税の対象外となったため、家電業界への影響は限定的と見られています。

家電量販店のイメージ家電量販店のイメージ

両社はベトナムでも一部の家電製品を生産していますが、米国への輸出量は少ないため、大きな影響はないと予想されます。家電業界アナリストの田中一郎氏は「メキシコ拠点が家電メーカーの盾となった」と分析しています。

まとめ

今回の米国の関税措置は、スマートフォン業界に大きな影響を与える可能性があります。サムスン電子とアップルは、今後の交渉の行方を見極めながら、対応策を検討していく必要がありそうです。一方、家電業界はメキシコ拠点を活かして、影響を最小限に抑えることができると見られています. 今後の動向に注目が集まります。