現代日本の家庭における家事分担は、共働き世帯の増加とともに大きな変化を迎えています。しかし、広島県で実施された衝撃的な調査結果によると、家事負担の現状は未だ男女間で大きな偏りがあることが明らかになりました。この記事では、広島県の家事分担の実態、そして今後の展望について深く掘り下げていきます。
広島県における家事分担の現状
2025年1月に広島県が実施した約3000人を対象とした調査では、家事の負担が女性に偏っている実態が浮き彫りになりました。「料理」「食事後の後片付け」「洗濯」「掃除」「ゴミ捨て」の5つの家事項目において、いずれも女性が担当する割合が男性を大きく上回っています。特に料理においては、女性の担当率が62.2%に対し、男性はわずか9.6%と、6倍以上の差が見られました。ゴミ捨てに関しては、男性の担当率が最も高い18.4%でしたが、それでも女性の37.2%には及ばず、家事分担の不均衡さが顕著に表れています。
広島県での家事分担に関する調査結果
この調査結果を受け、広島県は全国初の「男性の家庭生活における活躍の推進に関する条例」の制定を目指しています。早ければ6月の県議会に条例案が提出される予定です。
伝統的な価値観と男女平等の意識のギャップ
興味深いことに、別の調査では、広島県民の男女平等に対する意識は全国平均よりも高いという結果が出ています。政治、社会、職場、家庭、学校など、様々な分野において男女平等を感じている人が多い一方で、家事分担の実態は依然として伝統的な価値観に囚われていると言えるでしょう。50代男性の「親の世代までは“男は座ってご飯を待つ”という感じ。その名残りはみんなが集まる盆や正月にまだまだあって、男が先に食べちゃうことも」という証言は、根強く残る固定観念を物語っています。
今後の展望:意識改革と行動変容への期待
家事分担の現状を変えるためには、県民一人ひとりの意識改革が不可欠です。多様性と公平性が重視される現代社会において、固定観念にとらわれず、家事を「共同作業」として捉える意識を持つことが重要です。
食生活アドバイザーの山田花子さん(仮名)は、「家族みんなで食卓を囲む時間をより豊かにするためにも、家事分担は重要です。男性が積極的に家事に参加することで、家族のコミュニケーションも深まり、より良い関係を築くことができるでしょう」と語っています。
男性が料理をする様子
広島県が率先して取り組む「男性の家庭生活における活躍の推進に関する条例」は、全国的な家事分担の意識改革への第一歩となるかもしれません。今後の展開に注目が集まります。