「巨像に立ち向かう」音喜多駿氏、参院選落選も社会保障改革へ大学院入学

20日投開票された参院選東京選挙区(改選数6、補欠1)で落選の憂き目を見た日本維新の会の音喜多駿前政調会長(41)が、政治活動継続への強い意志を表明した。21日、自身のX(旧ツイッター)に投稿し、社会保障制度改革をテーマに大学院で修士号取得を目指す考えを明らかにした。「専門性という武器を携えてもう一度、巨像に立ち向かう挑戦をしたい」と決意を語り、今後の政界での役割を見据えている。

国政選挙での苦戦と未来への決意

音喜多氏は今回、参院選東京選挙区で約38万票を集めたものの、当選ラインの7位だった立憲民主党の塩村文夏参院議員の約52万票には及ばず、次点での落選となった。昨年10月の衆院選東京1区での落選に続き、9カ月間で2度の国政選挙で敗北を喫した。この連続する苦戦について、音喜多氏は「心身も金銭面もズタボロで、食い扶持を稼ぐ仕事と家事育児をしながらどう時間と費用を捻出するか、早くも頭を抱えています」と、その窮状を率直に明かしている。

しかし、その言葉の裏には不屈の精神が見え隠れする。「立ち止まることなく歩みを進めていく次第です。社会保険料を下げる改革は終わらない」と強く書き込み、自身が掲げる社会保険料引き下げという重要政策への執念を示した。大学院での学びを通じて、この分野での専門性を高め、政策実現への道を切り拓く意向だ。

日本維新の会の音喜多駿氏が東京都千代田区での会見で発言する様子日本維新の会の音喜多駿氏が東京都千代田区での会見で発言する様子

異例のSNS戦略と市民の反応

今回の参院選期間中、音喜多氏は比例代表で共に敗れた柳ケ瀬裕文参院議員と連携し、東京各地で街頭演説を繰り広げ、社会保険料の引き下げを熱心に訴えた。特に13日に東京・神楽坂で練り歩きした際には、握手に応じる通行人の姿も多く見られた。

しかし、その後の記者団からの好反応への指摘に対し、音喜多氏は「僕のことを嫌いで知っている人がいる(だけ)」と自虐的に返答。さらにXで「#音喜多駿が嫌い」というハッシュタグがトレンド入りしたことを明かした。実はこの「~が嫌い」という投稿は、音喜多氏自身が仕掛けたものだという。「おときた駿は嫌いだけど、社会保険料は下げてほしい」といったコメントを呼びかけたところ、5000件以上の賛同が集まったといい、再び「どれだけ嫌われているんだ…」と苦笑した。

昨年の衆院選では、音喜多氏に対するアンチ勢が演説会場に集結し、選挙妨害に遭うという経緯があった。しかし、今回の参院選では、そうした大規模な妨害事例はほとんど確認されなかったという。アンチ勢のターゲットが「もっとヤバい所(参政党)」に移った、という見方も一部で報じられている。

結論

2度にわたる国政選挙での落選という厳しい現実を突きつけられながらも、日本維新の会の音喜多駿氏は政治活動継続の意欲を失っていない。特に社会保障制度改革に専門性を深めるため大学院へ進学するという決断は、彼の政策実現への強いコミットメントと、逆境を糧に変える戦略的な姿勢を示している。自虐的なSNS戦略を通じて有権者との距離を縮めようとする彼の取り組みは、現代の政治家が直面する課題と可能性を浮き彫りにしている。今後、彼がどのように「巨像」たる社会保障制度に立ち向かい、日本の政治にどのような影響を与えていくのか、その動向が注目される。

参考資料

https://news.yahoo.co.jp/articles/7e84e1d9e4043e58ac7fadd741a679b801887209