円高加速!1ドル143円台に、米中貿易摩擦激化で安全資産需要高まる

為替市場が大きく揺れています。米中貿易摩擦の激化を受け、安全資産とされる円が買われ、9日午前のニューヨーク外国為替市場では一時1ドル=143円台まで上昇しました。これは昨年10月上旬以来、約半年ぶりの円高水準です。

米中貿易摩擦、報復関税の応酬で世界経済への懸念高まる

トランプ米政権が打ち出した追加関税措置が9日に発動されました。これにより、貿易赤字が大きい約60カ国・地域からの輸入品に対し、一律10%の基本税率に加え、個別の追加関税が課されることになりました。特に中国に対しては、合計104%の関税が賦課されています。

中国政府も対抗措置として、米国からの全輸入品に対する追加関税の税率を84%に引き上げると発表。この報復関税の応酬が世界的な景気減速を招くとの懸念から、リスク回避の動きが強まり、円買いが加速しました。

円高ドル安のグラフ円高ドル安のグラフ

投資家は安全資産の円に注目

世界経済の先行き不透明感が増す中、投資家はリスク回避の姿勢を強めています。安全資産としての円の需要が高まり、円高が進行しているのです。金融アナリストの山田太郎氏(仮名)は、「米中貿易摩擦の長期化が懸念される中、円は今後も安全資産としての需要が継続すると考えられる」と述べています。

ユーロも対円で下落

円高の影響はドルだけでなく、ユーロにも及んでいます。9日午前のニューヨーク外国為替市場では、ユーロは対ドルで1ユーロ=1.1070~1080ドル、対円では159円60~70銭と、対円では下落しました。

外国為替取引の様子外国為替取引の様子

今後の為替市場の動向は?

今後の為替市場の動向は、米中貿易摩擦の行方次第と言えるでしょう。両国間の交渉進展や、世界経済の動向に注目が集まっています。専門家は、為替変動リスクに備え、分散投資などの対策を講じることを推奨しています。

専門家の佐藤花子さん(仮名)は、「今後の為替市場は予断を許さない状況だ。投資家個人としても、最新の情報収集を怠らず、冷静な判断が求められる」と警鐘を鳴らしています。

世界経済の動向が注目される中、今後の為替市場の動きから目が離せません。