いよいよあす4月13日に開幕を迎える大阪・関西万博。パビリオン建設の遅れやチケットの芳しくない売り上げが懸念されてきたが、もはや待ったなし。4月4日には関係者のみ約1万人を招いた内覧が、5、6日には抽選で選ばれた約8万人が参加したリハーサルイベント「テストラン」が行われたが、会場を訪れた人からは意外な声も聞こえてきて……。
【実際の写真】「トイレが分かりづらい!」 11ものピクトグラムが並んだ“だれでもトイレ”
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視察した府議は「単純に感動」
「普通にパビリオンを見るだけでも楽しめましたね」
そう言うのは、立憲民主党の山田健太大阪府議(39)である。野党の厳しい目で見ながらも、認めるところはあったのだという。
「NTTパビリオンは、空間を伝送するというコンセプトで、体験したことのないくらいの迫力の映像を見せてくれたし、ヘルスケアパビリオンにあるiPS細胞の心筋シートは、実際にピクピク動いていて、単純に感動しました」
世界を巻き込んだ一大イベントだけのことはあるようだ。
「遅れが目立つ国も」
一方で、懸念すべき点もある。別の参加者が言う。
「57ある外国パビリオンも大体はできていましたが、それゆえにインド館やブラジル館の遅れは、ちょっと目立ちましたね」
確かにインド館を見れば、開幕10日前だというのに周辺は工事現場そのもの。当初は自前で建築するタイプAを建てる予定だったが、建築費の高騰などを理由に、昨年6月、急きょ、日本側が建設を代行するタイプXに仕様変更した経緯がある。
11ものピクトグラムがずらり
そのほか、トイレは、LGBTQや障害者を考慮した「進化版だれでもトイレ」が設置されている。ずらりと並んだ11ものピクトグラムを見ると、「自分はどれに該当するんだろう」という切実な疑問も浮かんでくる。
食事についていえば、「3850円の“えきそば”」も話題だ。これは兵庫県姫路市周辺で、「えきそば」の名で提供される、いわばブランドの品であって、駅の立ち食いソバではない。超豪華食材がのった、器も輪島塗の「万博仕様」であるという。
まずまずの完成度のようだが、「入場に1時間かかった」「休憩場所が少ない」「スマホ必携なのに充電施設がない」と、まだまだ対応すべき課題は多い。工期の遅れをはじめ、あれこれ想定されるトラブルをどこまで防げるか、そのスリルもまた売りになるのだろうか。関連記事【「たった5万人の来場で大混乱」 開幕まで1週間「大阪万博」でさらなるトラブルの予感が! 視察した府議から嘆きの声】で詳報している。
「週刊新潮」2025年4月17日号 掲載
新潮社