旅行予約サイトは、手軽に旅の計画を立てられる便利なツールですが、思わぬトラブルに巻き込まれるケースも少なくありません。楽しい旅行を台無しにしないために、予約前に知っておきたい注意点やトラブル発生時の対処法をまとめました。
予約サイト利用で急増するキャンセル料トラブル
国民生活センターには、旅行予約サイトに関する相談が近年増加傾向にあります。キャンセル料をめぐるトラブルもその一つ。予約からわずか数時間後にキャンセルしたにも関わらず、満額のキャンセル料を請求されたケースも報告されています。
旅行予約サイトに関するトラブル相談
例えば、60代の女性が8人分の国内旅行を予約した際、「キャンセル料無料」の温泉宿を探して、ある旅行予約サイトで5ヶ月後の予約(約8万円)を行いました。しかし、2時間後にキャンセルすると、なんと100%のキャンセル料が発生したというのです。
キャンセル料のトラブル事例
サイトの運営元が海外事業者だったため、国際電話での問い合わせも難航し、予約した宿にも「キャンセル無料の設定はない」と断られてしまいました。実際にはサイト上に「キャンセル無料」の表示はなく、検索結果に表示された他の宿と混同した可能性も考えられます。
トラブルを防ぐための3つのポイント
旅行予約サイトを利用する際は、以下の3点に注意しましょう。
- 「キャンセル料無料」の表示を必ず確認: 検索結果に表示された宿が全てキャンセル料無料とは限りません。個々の宿の詳細ページで、キャンセルポリシーをしっかりと確認することが重要です。
- サイト運営元の確認: 日本語で表示されているサイトでも、海外事業者が運営している場合があります。問い合わせのしやすさなども考慮し、信頼できるサイトを選びましょう。
- プラン内容の確認: 旅行券と宿泊施設がセットになったプランの場合、キャンセル料の条件がそれぞれ異なる場合があります。各々のキャンセルポリシーを事前に確認しておくことが大切です。
旅行予約サイト利用時の注意点
キャンセル料に関する法的視点
「キャンセル無料」の表示がない場合、5ヶ月前でもキャンセル料を全額支払わなければならないのでしょうか?元検事の亀井正貴弁護士は、以下のように解説しています。
「宿泊契約は、正当な理由なく解除することはできません。キャンセルは債務不履行にあたり、損害賠償義務が発生します。キャンセル料とは、この損害賠償のことです。しかし、損害の立証責任は旅館側にあります。5ヶ月前にキャンセルした場合、旅館側が具体的な損害を立証できなければ、キャンセル料は発生しない可能性もあります。」
キャンセル料に関する法的解説
つまり、キャンセル料の請求が妥当かどうかは、個々のケースによって判断されるということです。トラブル発生時は、専門家への相談も検討しましょう。
まとめ
旅行予約サイトは便利ですが、利用規約やキャンセルポリシーをしっかり確認することが重要です。トラブルに巻き込まれないよう、事前の準備を怠らないようにしましょう。快適な旅を楽しむために、これらのポイントをぜひ参考にしてください。