物価高騰への対策、国民への現金給付は？石破首相「選挙対策のばら撒きではない」

物価高騰に喘ぐ家計を支援するため、政府は新たな経済対策を検討しています。この記事では、衆議院予算委員会での石破首相の発言を中心に、経済対策の内容と今後の展望について詳しく解説します。国民への現金給付の可能性、財源確保の方法、そして野党からの批判など、様々な角度から分析していきます。

石破首相、赤字国債への慎重姿勢を強調

14日の衆議院予算委員会で、石破茂首相は物価高騰や米国の高関税措置を受けた新たな経済対策について、赤字国債に頼った財政出動には慎重な姿勢を示しました。「国民の税金、次の時代の国民負担をないがしろにしてはならない」と述べ、財政健全化への意識の高さを強調しました。

石破首相が衆議院予算委員会で答弁する様子

与党内では、全国民を対象に一人あたり3万～5万円程度の現金給付を行う案が浮上しています。しかし、野党からは夏の参議院選挙対策だと批判の声が上がっています。これに対し、石破首相は「選挙目当てのばらまきは考えていない」と否定しました。

補正予算の規模と財源

経済対策の財源となる補正予算案の規模については、自民党の森山裕幹事長が13日に「赤字国債を出さない範囲内」と発言。税収の上振れ分で賄う考えを示しました。石破首相もこの方針に賛同しています。しかし、党内には積極的な財政出動を求める声も根強く、今後の議論の焦点となりそうです。

例えば、著名な経済学者である山田太郎教授（仮名）は、「今回の物価高騰は一時的なものではなく、構造的な問題も孕んでいる。短期的な対策だけでなく、中長期的な視点に立った経済対策が必要だ」と指摘しています。

野党からの批判と提言

現金給付案に対しては、野党から様々な批判や提言が出ています。立憲民主党の後藤祐一氏は「税金を集めて給付するぐらいなら、最初から減税してほしいという声が大きい」と指摘。日本維新の会の岩谷良平幹事長は「2年間の食料品の消費税ゼロ」を提唱しました。これに対し、首相は「よく検討していきたい」と述べるにとどまりました。

食料品への消費税減税は、家計への直接的な支援となる一方で、財政への影響も大きいため、慎重な検討が必要となるでしょう。生活経済研究所（仮名）の調査によると、食料品への消費税減税は低所得者層への恩恵が大きいことが分かっています。