【ワシントン=池田慶太】米国のルビオ国務長官は18日、ロシアのウクライナ侵略を巡る和平交渉に関し、「戦争を終わらせることができなければ、我々は前進する必要がある」と述べた。数日以内に進展がない場合は仲介努力を断念する考えを示し、停滞する交渉の打開に向け、ロシア、ウクライナ双方に譲歩を迫る姿勢を鮮明にした形だ。
ルビオ氏は、訪問先のパリで記者団に「政府の最高レベルで87日間、戦争を終わらせるために努力してきた。我々は今、それが本当に可能かどうかを判断し、決定しなければならない段階に達している」と訴えた。その上で、トランプ政権として、数週間以内の戦闘終結が可能かどうかを近く判断すると強調した。
米国が主導する和平構想に関し、トランプ大統領は17日、ホワイトハウスで記者団に「今週まもなくロシアから連絡が来る」と語った。露側の返答を踏まえ、仲介の継続を判断するとみられる。トランプ氏は米国が仲介した限定的な停戦が順守されていないことなどに対し、繰り返し不満を述べている。
ルビオ氏はこれに先立つ17日、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と電話会談を行った。米国務省によると、ルビオ氏は、持続可能で永続的な和平の実現に向けた「枠組み」を全ての当事者に伝達したことを説明した。
「枠組み」の内容は不明だが、ルビオ氏はパリで17日にウクライナ、欧州の代表団とも協議しており、この場で和平構想について説明したという。