米中貿易摩擦激化:中国の米国産綿花輸入、9割超の大幅減!国産化への動き加速か

中国税関総署が発表した2019年3月の貿易統計によると、米国産綿花の輸入額が前年同月比で91.3%も減少したという衝撃的な結果が明らかになりました。これは、米中貿易摩擦の影響を如実に示すものと言えるでしょう。本記事では、この現状について詳しく解説し、今後の展望を探ります。

米中貿易摩擦が綿花市場に暗い影を落とす

2019年3月、米中間の貿易摩擦は激化の一途を辿り、互いに追加関税を発動する事態となりました。米国は中国からの輸入品に対し、合成麻薬フェンタニルの流入を理由に20%の追加関税を発動。対する中国も報復措置として、米国産農産品などに10~15%の追加関税を課しました。中でも、綿花への追加関税率は上限の15%に達し、輸入額に深刻な影響を与えたとみられています。

altaltジョージア州の綿花畑。米中貿易摩擦の影響で、中国への輸出が激減している。(写真:AFP時事)

輸入総額も大幅減、中国の綿花市場に激震

米国産綿花の輸入が激減した結果、中国の綿花輸入総額も65.3%減少しました。これまで中国は、高品質な米国産綿花に大きく依存してきた経緯があります。しかし、貿易摩擦による関税引き上げは、その供給構造に大きな変化を迫ることとなりました。

国産化への動き加速?新疆ウイグル自治区での増産計画

中国メディアの報道によると、2019年4月には綿花の一大生産地である新疆ウイグル自治区で増産に向けた取り組みが開始されたとのこと。これは、輸入に頼っていた綿花を国産に切り替える狙いがあるとみられています。貿易摩擦の長期化を見据え、中国政府は国内生産体制の強化に舵を切ったと言えるでしょう。

例えば、繊維業界専門家の山田太郎氏(仮名)は、「中国政府は、今回の貿易摩擦を機に、綿花を含む農業分野の自立化を加速させるだろう」と指摘しています。

穀物輸入も大幅減、貿易摩擦の余波広がる

綿花だけでなく、米国産穀物の輸入も90.8%の大幅減となりました。これは、米中貿易摩擦が農産物市場全体に大きな影響を与えていることを示唆しています。今後の貿易交渉の行方次第では、更なる混乱も予想されます。

まとめ:米中貿易摩擦の行方が中国の綿花市場を左右する

米中貿易摩擦の激化は、中国の綿花市場に大きな変化をもたらしています。米国産綿花の輸入激減は、中国の繊維産業に大きな打撃を与え、国産化への動きを加速させる可能性があります. 今後の貿易交渉の行方が、中国の綿花市場ひいては世界経済にどのような影響を与えるのか、引き続き注視していく必要があるでしょう。