参院選の結果次第では「東京撤退」も
6月に行われた東京都議会議員選挙で、日本維新の会は現職1人を含む6人の候補が全滅した。“改革保守”を標榜して全国政党化を目指してきたものの、党勢の凋落は明らかだ。
「早くも党内からは、20日投開票の参議院議員選挙を念頭に“結果次第では党が分裂する”との声すら出始めています」
と言うのは政治部デスク。
「今回の参院選における東京選挙区は補欠を含めて7議席を争います。維新はここに前々回の参院選で52万6575票を得て当選した音喜多駿元参院議員(昨年の衆院選で落選)を擁立しました。ですが、音喜多氏が6年前と同程度の票を集めるのはかなり難しい状況です」(同)
令和4年に行われた前回の参院選で東京選挙区に立った維新の候補は、先の音喜多氏より4000票ほど多い53万361票を得ながら次点に泣いている。
「都議選に続いて参院東京選挙区でも議席を得られなければ、党内に東京撤退論が浮上します。小池百合子都知事は自身が結党した旧希望の党とのつながりで、国民民主党の玉木雄一郎代表と近い。ただでさえ、都政に影響力を持たない維新が、都民に存在感をアピールする手立てはありません」(同)
参政党の議席獲得に衝撃
その維新は、後発の参政党が都議選で3議席を獲得した事実に衝撃を受けているとも。実際、複数の世論調査で、参政党の政党支持率が維新のそれを上回るケースが散見されている。
維新幹部が肩をすくめる。
「参政党は“日本人ファースト”という分かりやすい言葉で、20〜40代の保守層を中心に支持を広げている。全国で顕在化している外国人トラブルに無為無策の石破政権に対する批判の受け皿となり、われわれや国民民主に回るはずだった支持者を得ていると感じる」
去る4月に離党した、お膝元・大阪選挙区選出の梅村みずほ参院議員は、目前の参院選に参政党から比例代表で出馬することを表明した。維新は党内のグリップに課題を抱えるが、積年の路線対立も懸念材料だ。