笹子トンネル追突事故：1歳児死亡、運転手の過失と車の不具合が招いた悲劇

高速道路での悲劇、笹子トンネルで起きた追突事故から1年が経過し、改めて安全運転の重要性が問われています。この記事では、事故の背景、裁判の経過、そして高速道路でのトラブル発生時の対応について詳しく解説します。

事故の概要：一瞬の気の緩みが招いた悲劇

2024年4月4日午前7時15分頃、山梨県甲州市の中央自動車道上り線、笹子トンネル内で痛ましい事故が発生しました。大型トラックが軽乗用車に追突し、後部座席に乗っていた1歳の男児が死亡、運転していた母親は軽傷を負いました。

事故車両

事故を起こしたトラック運転手は、考え事をしながら運転していたため、前方の安全確認を怠り、軽乗用車に気づかずに追突したとされています。

軽乗用車の不具合：加速しない恐怖

事故当時、軽乗用車はアクセルを踏んでも加速しない状態だったことが判明しました。母親はハザードランプを点灯し、一度非常駐車帯に停車した後、再発進を試みた矢先に追突されたのです。自動車整備の専門家、山田一郎氏（仮名）は、「CVT（無段変速機）の不具合が原因で、このような症状が起こる可能性がある」と指摘しています。

裁判の行方：運転手の責任はどこまで問われるのか

トラック運転手は自動車運転処罰法違反（過失致死傷）の罪で起訴され、2025年4月17日に甲府地裁で初公判が開かれました。運転手は起訴内容を認め、「本当に申し訳ない」と謝罪の言葉を述べました。検察側は禁錮2年6カ月を求刑、弁護側は執行猶予付きの判決を求めて結審しました。判決は5月15日に言い渡される予定です。

事故車両の比較

母親の悔恨：非常駐車帯からの再発進

事故に遭った母親は、「止まるところを探していて気づいたら病院だった。非常駐車帯を発進したことを後悔している」と供述しています。高速道路上で車が故障した場合、どのように対応すべきだったのでしょうか。

高速道路でのトラブル発生時：安全な対処法

JAF（日本自動車連盟）は、高速道路で車が故障した場合は、ハザードランプを点灯し、非常駐車帯または路肩の安全な場所に停車するように呼びかけています。同乗者をガードレールの外側など安全な場所に避難させ、後方に発煙筒や三角停止板を設置した後、非常電話や携帯電話で救援を要請することが重要です。JAF山梨支部の担当者は、「少しでも異常を感じたら、無理に車を動かそうとせず、身の安全を確保し、周囲に異常を知らせることが大切」と強調しています。