現代韓国史上最悪の詐欺師と呼ばれるチャン・ヨンジャ被告(81)が、またしても実刑判決を受けました。偽造小切手を使った詐欺容疑で、最高裁は懲役1年の判決を確定。彼女の波乱万丈の人生と、繰り返される詐欺事件について詳しく見ていきましょう。
懲役1年、5度目の実刑判決
2017年、ソウル市内のホテルで農産物供給契約を結ぶ際、チャン被告は154億2000万ウォン相当の偽造小切手を渡したとして詐欺罪に問われました。一審では無罪判決でしたが、二審では同様の偽造小切手を使った過去の事例を根拠に有罪となり、懲役1年の判決。そして今回、最高裁も二審判決を支持し、チャン被告の5度目の実刑が確定しました。
チャン・ヨンジャ被告が出廷する様子
累計服役期間は34年! 繰り返される詐欺行為
チャン被告の犯罪歴は長く、1982年には夫と共に6404億ウォンもの手形詐欺事件を起こし、懲役15年の判決を受けました。仮釈放後も1994年には140億ウォン規模の借用詐欺、2000年には220億ウォン相当の旧紙幣詐欺と、巨額の詐欺事件を繰り返し起こしています。
巧妙な手口と巨額の被害
2015年には、「亡くなった夫名義のサムスン・エバーランド転換社債を寄付したい」という巧妙な手口で知人から6億ウォンを騙し取り、懲役4年の判決を受けました。2022年初めに満期出所したばかりでの今回の事件。まさに「手形詐欺の女王」の異名にふさわしい、常習的な犯行と言えます。
更生は難しいのか? 社会への影響は?
高齢でありながらも、なおも詐欺行為を繰り返すチャン被告。更生は可能なのか、そしてこのような事件が社会に与える影響について、専門家の間でも議論が続いています。例えば、犯罪心理学者のキム・ヨンチョル氏(仮名)は、「常習的な詐欺行為は、本人の倫理観の欠如だけでなく、社会の監視体制の甘さも要因の一つと言えるでしょう」と指摘しています。
今後の対策と課題
再犯防止のためには、刑罰だけでなく、社会復帰支援や教育プログラムの充実も不可欠です。また、巧妙化する詐欺の手口に対抗するため、国民への啓発活動も強化していく必要があります。
チャン・ヨンジャ被告の事件は、私たちに犯罪の根深さと、社会全体の責任について改めて考えさせるものとなっています。