韓日経済協力の新局面:デリスキング時代の戦略的パートナーシップ

23日の韓日首脳会談を控え、日韓経済協力への期待が高まっている。米中対立やグローバルサプライチェーン再編の中、「ノージャパン」といった過去の対立を超え、日韓は経済安全保障上不可欠なパートナーとしての戦略的意味を持つようになった。国際的な「デリスキング」の流れが顕著になる中、共通の価値と制度を共有する友好国間でのサプライチェーン強化が急務となっているためだ。

共通のサプライチェーン課題と「中国変数」

韓国と日本は共に製造業が経済に占める比率が高く(OECD平均15.8%に対し、韓国27.6%、日本20.6%)、経済複雑性指数(ECI)も世界トップレベル(日本3位、韓国5位)だが、その複雑性ゆえにサプライチェーン変動への脆弱性を抱えるという共通課題を持つ。

「中国変数」も両国共通の課題だ。ソウル大国家未来戦略院は、地政学的要因と中国の技術・産業競争力強化により、中韓・中日間の連結網が弱まる見通しとし、日韓企業は中国に代わるサプライチェーンを互いに見出すべきと指摘している。人工知能(AI)分野での協力も喫緊の課題として浮上しており、崔泰源SKグループ会長は、日韓のデータ連携が対中競争力確保に不可欠だと強調している。

相互補完的成長と主要な協力事例

企業はすでに日韓間の相互補完的な成長可能性に注目している。韓日経済協会の金鈗会長は、韓国企業の強みである大量生産やマーケティング力と、日本企業の強みである素材・部品・装備産業、市場調査能力、金融が連携すれば、第三国市場で大きな利益を生むと見方を示している。

具体的な協力も活発化している。サムスン電子は横浜に半導体先端パッケージング研究開発(R&D)拠点を置き、SKハイニックスは世界3位のNAND型フラッシュメモリー企業キオクシアの主要株主だ。バッテリー産業では、LGエナジーソリューションが豊田通商と使用済みバッテリーのリサイクル合弁会社GMBiを設立。また、現代自動車とトヨタは自動車市場のライバルでありながら「水素同盟」を推進し、両社会長が頻繁に会談するなど、水素自動車協力の動きが活発だ。

こうした協力関係が短期的なイベントで終わってはならないという指摘もある。産業研究院のチェ・ジョンファン副研究委員は、日韓には協力に劣らず多くの葛藤要因が存在するため、貿易紛争や「Yahoo-LINE事態」のような衝突を予防できる低い水準の定例的対話チャンネルを維持すべきだと強調。政権交代や政治状況によって経済協力が一進一退してはならないと警鐘を鳴らしている。

参考文献