東日本大震災の福島第1原発事故を描く映画「Fukushima 50」(若松節朗監督、来年3月6日公開)に、邦画史上初めて米軍が撮影協力したことが18日、分かった。
同作はジャーナリスト、門田隆将氏のノンフィクション「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」が原作で、事故現場で戦い続けた約50人の作業員に迫る物語。
俳優の佐藤浩市さん(58)が第1原発の1、2号機当直長役、渡辺謙さん(60)が第1原発所長役で出演している。
同作では米軍が行った被災地支援「トモダチ作戦」が描かれ、米国大使館関係者を通じた米側安全保障チームとの交渉の末、米軍の協力が実現し、米軍横田基地を日本映画で初めてロケ地として使用。施設内の会議室で作戦会議シーンが再現され、支援に向かう場面では米軍所有のヘリを実際に飛ばし、米兵もエキストラとして参加した。
さらに、自衛隊の要人輸送ヘリも使用され、総理役の佐野史郎さん(64)が乗り込んで福島第1原発を訪問するシーンも再現した。
横田基地第374空輸航空団将校を演じた米国出身のタレントで山形弁研究家、ダニエル・カールさん(59)は「基地での撮影はとても楽しいものでした。東北に強い絆を持つアメリカ人の1人として、『トモダチ作戦』の発令を行った司令官役を演じさせていただけたことを本当に誇りに思います」と充実感をにじませた。