トランプ前大統領、ウクライナとの鉱物資源協定の遅延に不満表明

ウクライナ紛争の終結に向けた動きが加速する中、ドナルド・トランプ前大統領はウクライナとの鉱物資源共同開発協定の遅延に強い不満を表明しました。今後の展開に注目が集まっています。

ウクライナ、鉱物資源協定に署名遅れ トランプ氏、早期締結を要求

トランプ前大統領は、ウクライナが未だ米国との鉱物資源共同開発協定に署名していないことに不満を表明し、早期の署名を強く要求しました。自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、協定締結が少なくとも3週間遅れていると指摘し、ゼレンスキー大統領のリーダーシップに疑問を呈しました。

ドナルド・トランプ前大統領(2025年2月28日、ワシントン)ドナルド・トランプ前大統領(2025年2月28日、ワシントン)

この協定は、ウクライナの豊富な鉱物資源を米国企業が開発・利用することを目的としたもので、両国経済にとって重要な意味を持つとされています。国際経済アナリストの田中一郎氏は、「この協定は、ウクライナの経済復興を支援するだけでなく、米国の資源戦略においても重要な役割を果たす可能性がある」と指摘しています。 しかし、ウクライナ側の事情により署名が遅れているとみられ、今後の交渉の行方が注目されます。

ロシア・ウクライナ和平交渉の進展に期待

トランプ前大統領は、ロシアとウクライナの和平交渉が「順調に進んでいる」とも投稿しました。この発言の背景には、トランプ氏の側近であるウィットコフ中東担当特使がモスクワを訪問し、プーチン大統領と会談を行ったことがあります。ロシア側のウシャコフ大統領補佐官は、米ロの立場が接近したと述べており、和平実現への期待が高まっています。

和平交渉の進展と並行して、トランプ前大統領はウクライナとの鉱物資源協定の早期締結を強く求めています。国際政治学者の佐藤花子氏は、「トランプ氏は、和平合意と鉱物資源協定を関連づけて考えている可能性がある。ウクライナが協定に署名することで、和平交渉を有利に進めようとしているのかもしれない」と分析しています。

協定締結の行方と今後の課題

トランプ前大統領の要求に対し、ウクライナ政府は今のところ公式な反応を示していません。協定の内容や締結時期については、今後の交渉次第となる見通しです。

ウクライナ紛争の終結と経済復興、そして米国の資源戦略にとって重要な意味を持つこの協定。今後の動向に注目が集まっています。