韓国の「外飲み」文化に迫る:漢江、屋台、そしてその魅力の背景

Netflixのバラエティ番組『隣の国のグルメイト』シーズン2「究極の味対決」では、俳優の松重豊さんと韓国の人気歌手ソン・シギョンさんが両国で食を巡る旅をしています。第7話では、ソン・シギョンさんが松重豊さんをソウル中心部を流れる漢江沿いの公園へ案内。レンタルサイクルでの散歩後、韓国でおなじみの漢江ラーメン(インスタントラーメン)や手作り弁当、お菓子、ソルビン(かき氷)などを楽しむ様子が描かれました。このシーンは、韓国における外飲みや屋外での飲食文化がどれほど根付いているかを示す一例と言えるでしょう。

韓国の屋外飲食文化:公園から屋台まで

漢江沿いの公園では、家族連れやカップルが芝生などに座って食べたり飲んだりする姿が日常的に見られます。このような風景は、韓国の人々が屋外での飲食を心から楽しんでいることを改めて感じさせます。特に、外で飲む一杯のお酒に幸せを見出す人が多いようです。

屋外飲食の場所は公園だけにとどまりません。ソウルの龍山区や瑞草区を結ぶ漢江周辺だけでなく、近年ホットスポットとして注目される鐘路3街エリアでも、路上の簡易テーブルは非常に人気があります。世運商街のような雑居ビル群や乙支路4街周辺の小さな食料品店(슈퍼/シュポ)でも、店先の路上席で長時間語らう酔客が多く見られます。

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漢江の公園でピクニックを楽しむ韓国のカップル](https://news.yahoo.co.jp/articles/7de31450f05940b653f0c4f6f9591654ae747012/images/001)

日本でも屋外で飲食する光景は見られますが、韓国と比較すると限定的な印象があります。例えば、東京の浅草ホッピー通りや新橋駅烏森口南側は、韓国の鐘路3街を思わせるほど賑わっていますし、大阪の環状線天満駅北側の路地も外飲み客で賑わいます。しかし、日本では屋外での飲食はより特定のエリアやイベントに限られる傾向があります。両国とも飲食店の敷地外に席を設けることは原則違法とされていますが、韓国の方が取り締まりが比較的緩やかであるという見方もあります。

外飲みを後押しする韓国の気候

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賑わうソウル鐘路3街のポジャンマチャ通り(6月上旬)](https://news.yahoo.co.jp/articles/7de31450f05940b653f0c4f6f9591654ae747012/images/002)

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夏の到来を告げるソウル鐘路3街の屋外席風景](https://news.yahoo.co.jp/articles/7de31450f05940b653f0c4f6f9591654ae747012/images/003)

韓国の人々が飲食するのを好む理由の一つには、気候が大きく関係していると考えられます。朝鮮半島の冬は厳しく長く、ソウルは日本の新潟県とほぼ同じ緯度に位置するため、4月上旬でもまだ肌寒く、防寒着が必要なほどです。春らしい陽気となるのは4月後半からで、5月に入るとまるで待ちわびていたかのように屋外での飲食が始まります。例えば、今年の鐘路3街にあるポジャンマチャ通りは、夏日となった6月第1週の週末に大変な賑わいを見せていました。厳しい冬が明けた後の、短いながらも快適な気候の期間を最大限に楽しもうとする心理が、屋外飲食文化を育んでいるのかもしれません。

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ソウルの漢江沿いにある、コンビニやカフェが入る建物](https://news.yahoo.co.jp/articles/7de31450f05940b653f0c4f6f9591654ae747012/images/000)

結論として、韓国の外飲み・屋外飲食文化は、漢江のようなリラックスできる場所から鐘路3街のような活気ある屋台街まで、日常生活の様々な場面に深く浸透しています。この文化の背景には、厳しい冬と短い春・夏という韓国特有の気候が影響しており、良い季節を屋外で楽しみたいという人々の思いが強く反映されていると言えるでしょう。日本と比較すると、その広がりや頻繁さにおいて特徴的であり、『隣の国のグルメイト』のような番組を通じて、韓国のリアルな文化の一端を垣間見ることができます。

参考資料:
https://news.yahoo.co.jp/articles/7de31450f05940b653f0c4f6f9591654ae747012