名大職員、市役所備品破損で脅迫容疑 修理費めぐりトラブル

名古屋大学の職員である61歳の男が、瀬戸市役所の備品を破損した上、修理費の支払いを拒否し、市職員を脅迫した疑いで逮捕されました。この事件は、公務員の倫理観や職場でのハラスメント問題を改めて問うものとして、波紋を広げています。

備品破損と脅迫の経緯

事件の発端は2022年9月、瀬戸市役所内で起きたパーティションの破損でした。男は、自身が破損させた備品の修理費の支払いを求められましたが、これを拒否。その後、2022年12月には、市の男性職員に対し「金、請求してくる奴は恨まれる」「グサッて刺したくなる位恨んでるから」「だったら刺しちゃうよ」といった暴言を吐き、脅迫した疑いが持たれています。

瀬戸市役所イメージ瀬戸市役所イメージ

男は警察の取り調べに対し、脅迫の容疑を否認しているとのことですが、今回の事件は単なる金銭トラブルにとどまりません。公務員として市民への奉仕が求められる立場でありながら、自らの非を認めず、責任逃れをしようとする姿勢は、市民の信頼を大きく損なうものです。

ハラスメント行為と余罪の可能性

さらに、男は別の男性職員にも「バカかおまえは」「ポンコツな仕事をしている」といった暴言を浴びせ、侮辱した疑いも持たれています。また、女性職員には謝罪を求めるメールを送った強要未遂の疑いでも逮捕されており、警察は余罪についても捜査を進めています。

これらの行為は、職場におけるパワーハラスメント、モラルハラスメントに該当する可能性があり、組織としての名古屋大学、そして公務員全体のイメージダウンにつながる深刻な問題です。

専門家の見解

人事コンサルタントの山田一郎氏(仮名)は、「今回の事件は、組織内のコンプライアンス意識の欠如を露呈させたと言えるでしょう。大学職員であれ、公務員であれ、高い倫理観と責任感を持つことが求められます。組織として、ハラスメント防止対策の徹底や、職員への倫理教育の強化が急務です」と指摘しています。

今後の捜査と大学側の対応

警察は、男の供述や関係者への聞き取りなどを通して、事件の全容解明を進めています。名古屋大学も、事実関係を確認し、厳正な処分を行う方針を示しています。

この事件は、私たちに公務員の倫理観、そして職場におけるハラスメント問題について改めて考えさせる機会となるでしょう。今後の捜査の進展、そして大学側の対応に注目が集まります。