日本の安全保障を取り巻く環境が厳しさを増す中、軍事評論家の小原凡司氏と東京大学准教授の小泉悠氏が、前例のない試みとして非営利の民間インテリジェンス機関「DEEP DIVE」を設立しました。公開情報(OSINT)と衛星画像を活用した情報分析を行い、誰もがアクセスできる情報を提供するという、その革新的な取り組みについて迫ります。
クラウドファンディングで4000万円超の支援を集めた背景
DEEP DIVE設立のために行われたクラウドファンディングは、当初目標の1000万円を大きく上回り、最終的に4000万円を超える支援金が集まりました。この驚異的な数字は、日本社会における安全保障情報への関心の高さを如実に表しています。
想定外の反響と支援者への感謝
小泉氏は、当初クラウドファンディングの目標額を800万円と想定していたものの、自身のTwitterフォロワー数20万人を伝えたところ、担当者の反応が大きく変わったと語っています。最終的に目標額の4倍以上もの支援が集まり、2900人以上もの人々がDEEP DIVEの理念に共鳴してくれたことに、両氏は深い感謝の意を表しています。
小原凡司氏(左)と小泉悠氏
小原氏は、当初は小規模でスタートする予定であったものの、多くの人々の支援によって基盤を固めることができたと述べ、今後の活動継続への決意を新たにしました。
公開情報と衛星画像:透明性と信頼性を重視した情報分析
DEEP DIVEの設立目的は、デジタル公開情報インテリジェンス(OSINT)と衛星情報インテリジェンスを活用し、日本社会にとって重要な警告をいち早く発信することです。
根拠に基づいた情報提供の重要性
小原氏は、従来のメディア出演では時間的制約から、発言の根拠を十分に示すことが難しかったと指摘しています。DEEP DIVEでは、分析に用いた衛星画像などを公開することで、透明性と信頼性を確保した情報提供を目指しています。
専門家A氏(仮名)は、「情報の出所を明らかにすることで、情報の信頼性を高めるだけでなく、議論の活性化にも繋がる」と指摘しています。
新しいインテリジェンス機関の形
公開情報と衛星画像を組み合わせた分析手法は、インテリジェンス機関としては革新的なアプローチと言えるでしょう。これにより、より多くの人々が情報にアクセスし、検証することが可能になります。
DEEP DIVEのホームページ
DEEP DIVEの今後の展望
DEEP DIVEは、日本社会の安全保障意識向上に大きく貢献することが期待されています。今後、更なる情報分析能力の強化と情報発信力の向上を目指し、活動の幅を広げていくことでしょう。専門家B氏(仮名)は、「DEEP DIVEの活動は、市民が安全保障について主体的に考えるきっかけとなるだろう」と期待を寄せています。