フジテレビ女性アナ問題、佐々木恭子アナが処分されなかった背景とは

6月5日、フジテレビが元SMAP・中居正広氏と元女性アナウンサーAさんの間で発生したトラブル、および局員による“上納”問題に関し、港浩一前社長と大多亮元専務を提訴する方針を明らかにしました。この問題では、第三者委員会の調査を経て、複数の社員に対する処分も発表されています。

フジテレビは、中居氏とAさんの間を取り持ったとされる元編成部長B氏を含む、社員6人に対して「減俸50%」「けん責」「戒告」といった懲戒処分を科すことを決定しました。これは一連の騒動における関係者の責任を明確にするための措置です。

一方、今回の処分対象から外れた人物がいます。それは、当時Aさんの直属の上司であった編成制作局アナウンス室部長、現在はアナウンス室局次長を務める佐々木恭子アナウンサーです。

フジテレビ女性アナ問題で処分対象外となった佐々木恭子アナウンサーフジテレビ女性アナ問題で処分対象外となった佐々木恭子アナウンサー

週刊文春が2025年1月時点で報じたトラブルの経緯によると、2023年6月に中居氏から性暴力を受けたとされるAさん(記事ではX子さん)は、勇気を出して佐々木アナら上司に被害を報告したとされています。報道によれば、佐々木アナからは「大変だったね。しばらく休もうね」という慰めの言葉があったものの、報告を受けた港前社長を含む幹部は、事実関係の確認はおろか、中居氏への聞き取りさえ行わず、問題が有耶無耶にされたとされています。その後、Aさんは心身の不調を訴えて入院し、PTSDと診断されるに至りました。

この間、中居氏から依頼を受けたとされるB氏が、Aさんに見舞金100万円を届けるなど(Aさんは受取拒否)、水面下でのトラブル解決を図っていたことが、第三者委員会の調査で判明しています。文春の報道に基づく経緯では、B氏の行動はAさんにさらなる不信感を抱かせ、頼りにしていた佐々木アナからも「何もしてもらえない」と絶望を感じさせ、会社ぐるみでの隠蔽を疑う結果となり、週刊文春への告発につながった可能性が示唆されています。

しかし、港前社長らへの処分を発表した会見で、清水賢治社長によって明らかにされたのは、佐々木アナに対する全く異なる評価でした。清水社長は、佐々木アナが「産業医等の医師や上長の指示等に従い、女性Aに配慮した対応を一貫して行っていた」と説明しました。Aさんからの相談を受けた後、彼女のサポートを一人で担当し、体調悪化後も励まし続け、後輩のケアによって自身のメンタルも追い詰められていた、というのがフジテレビ側が説明する佐々木アナの実情です。つまり、佐々木アナは当初からAさんに寄り添い、サポートを続けていたと判断されたため、今回の騒動における処分対象には当たらない、という結論が下されたのです。

[参照元] https://news.yahoo.co.jp/articles/cb11a72f604f260368bfb5f71444454239945dfa