教師の負担増加!部活動顧問の「ブラック教職」の実態とは?

日本の教育現場で深刻化する「ブラック教職」問題。その大きな要因の一つとして、部活動顧問の負担が挙げられます。長時間労働、休日出勤、専門外の指導… 多くの教師が苦悩を抱えています。この記事では、部活動顧問の現状と課題、そして未来への展望について深く掘り下げていきます。

部活動顧問の過酷な現実

教員の長時間勤務は社会問題化していますが、その背景には部活動顧問としての負担が大きく影響しています。ある運動部顧問のヒロシさん(仮名、30代)は、「部活動にかかわる全てが辛い。授業準備の時間が削られている」と訴えます。平日は授業後、遅くまで部活の指導を行い、休日も練習や試合でほとんど休みが取れない状況です。特に大会シーズンは、1ヶ月間休みなしという過酷なスケジュールを強いられることもあります。

運動部顧問のヒロシさん(仮名)は、部活動の指導に追われる日々を送っている。運動部顧問のヒロシさん(仮名)は、部活動の指導に追われる日々を送っている。

顧問選任の実態と課題

AERA dot.とAERA編集部が行ったアンケート調査によると、回答者の6割が「学校・管理職からの打診」で部活動顧問に就任しており、「進んで引き受けた」教員はわずか4割。希望の部活を担当できる保証はなく、専門外の競技を担当することも少なくありません。ヒロシさんも、競技経験のない部活の顧問を任され、インターネットや教本でルールや練習メニューを学ぶ日々を送っています。

部活動顧問の負担軽減への道

文部科学省は部活動を「学校教育の一環」と位置づけていますが、「教育課程外」の活動であるため、顧問を断ることも可能です。しかし、実際には断りづらい雰囲気があり、多くの教師が負担を抱え続けています。部活動の指導は本来、専門知識と情熱を持つ外部指導者が担うべきだという意見も出ています。地域との連携強化や外部指導者の活用など、抜本的な改革が必要とされています。

部活動の未来を考える

教育現場における部活動の在り方については、様々な議論が交わされています。教師の負担軽減はもちろん、生徒にとってより良い活動の場を提供するためにも、地域社会との連携強化、外部指導者の活用、部活動の外部化など、多角的な視点からの検討が求められています。 子供たちの成長を支える重要な役割を担う部活動。未来の教育をより豊かにするために、私たち一人ひとりが真剣に考え、行動していく必要があるのではないでしょうか。