星野源、第76回紅白歌合戦「不在」の波紋:去年の“禍根”が影響か

11月14日、年末の国民的番組『第76回NHK紅白歌合戦』の出場歌手が発表され、初出場組や復活組が大きな話題を呼ぶ一方で、長年常連であった国民的アーティスト、星野源の名前がないことにSNS上で動揺が広がっています。彼の不在は、昨年の第75回紅白歌合戦で起きた“ある出来事”が影響しているのではないかとの憶測を呼んでいます。

第76回紅白歌合戦、注目の出場者と星野源の“空白”

今年の『第76回NHK紅白歌合戦』には、アイナ・ジ・エンド、FRUITS ZIPPER、HANA、ちゃんみな、M!LKといった2025年を象徴する10組のアーティストが初出場します。また、サカナクションが12年ぶり、年内をもって活動を休止するPerfumeが2年ぶりに出場するなど、復活組も注目を集めています。福山雅治やMISIAといった常連歌手の名前も並ぶ中、星野源さんの名前が見当たらなかったことで、X(旧Twitter)上ではファンから以下のような声が上がりました。

  • 「去年の紅白で星野源が味わった気持ちを考えるとそりゃ出ないよなって」
  • 「紅白やっぱ今年星野源出ねぇよな。そりゃ去年あんなことあったんやし。俺も納得いってねぇしな、地獄でなぜ悪いマジで聞きたかったわ」
  • 「星野源紅白無しなのは去年のアレで騒がれて嫌気さしたからかな」

星野源さん(44)は、2015年の第66回に「SUN」で初出場して以来、昨年の第75回まで一度も途切れることなく出場し続けてきました。毎年のようにヒット曲を世に送り出し、多くの人々に愛される国民的アーティストである彼が、なぜ今回の紅白歌合戦で見送られたのか。その背景には、昨年の紅白歌合戦における“禍根”が深く関わっていると見られています。

第75回紅白歌合戦での「地獄でなぜ悪い」騒動

昨年の紅白歌合戦では、星野源さんの曲目発表が波紋を呼びました。当初、2023年12月23日に発表された曲目は、2013年リリースの楽曲「地獄でなぜ悪い」を弾き語りで披露するというものでした。これは『紅白』の演出担当者からの熱心なオファーを受けて決定したと言われています。

しかし、「地獄でなぜ悪い」は、2013年公開の同名映画の主題歌であり、この映画は2022年4月に性加害疑惑が報じられた映画監督・園子温氏が監督を務め、星野源さんも出演していました(2024年に報じた出版社と和解が成立)。この経緯から、一部のファンからは「二次加害にあたる」と批判が相次ぎました。

曲目変更と星野源のコメント

批判を受け、わずか3日後の12月26日には、2010年リリースのアルバム収録曲「ばらばら」に曲目が変更されることが発表されました。この際、星野源さんは、変更の背景について「この曲を紅白歌合戦の舞台で歌唱することが、二次加害にあたる可能性があるという一部の指摘について、私たちはその可能性を完全に否定することはできません」と説明しました。彼はまた、「ばらばら」が2012年にくも膜下出血で闘病している際に作った「星野源の中から生まれた、星野源の歌です」であると強調しました。この曲目変更の判断については、世論で賛否両論が巻き起こる結果となりました。

星野源がマイクを持ち、静かに歌唱する姿星野源がマイクを持ち、静かに歌唱する姿

笑顔なきステージとその後の影響

そして迎えた『紅白』本番。曲目は変更されたものの、星野源さんのステージにはいつものような笑顔は見られず、沈痛な面持ちで歌唱する姿が多くの視聴者の記憶に残りました。この一連の騒動と、彼が見せた表情は、星野源さんにとって大きな精神的負担となったことが伺えます。

今回の第76回紅白歌合戦への不出場は、この昨年の経験が大きく影響している可能性が高いと考えられます。アーティストとしての表現と、社会的な配慮の間で生じた葛藤が、彼を「紅白」の舞台から一時的に遠ざける結果となったのかもしれません。ファンからは彼の気持ちを慮る声が多く寄せられており、今後の活動と復帰が期待されます。