10月中旬、東京高等裁判所の法廷で、人気TikTokインフルエンサーの景井ひな(26)が、涙ながらに裁判官に自身の窮状を訴えた。「もち太くんを飼う時、私の精神はギリギリで……。犬を飼ったのは私が生き延びようとするためです」と語る彼女の姿は、多くの注目を集めている。フォロワー数1000万人を誇るZ世代のカリスマが、なぜ法廷に立つことになったのか。NEWSポストセブン取材班が入手した係争中の裁判資料から、景井ひなと元同居人X氏の間で起きている、愛犬「もち太くん」の所有権を巡る泥沼トラブルの全貌が明らかになった。
景井ひな、人気インフルエンサーとしての地位
景井ひなは2019年3月にTikTokでの動画投稿を開始し、わずか1年でフォロワー数160万人を突破した異例の経歴を持つ。その後も視聴者が真似しやすい「ミーム動画」などを武器に、約2年半でフォロワー数1000万人を達成。2022年以降の「TikTokクリエイター影響力トレンドランキング」(モデルプレス調べ)では常に上位にランクインし、Z世代を中心に絶大な人気を誇っている。2023年にはカンヌ国際映画祭に「世界のクリエイター」のアジア人枠として正式招待されるなど、その認知度は世界的にも広がっている。
愛犬を巡る裁判トラブル中の景井ひなインフルエンサー
そんな景井ひなが現在、マルチーズとプードルのミックス犬「マルプー」である愛犬「もち太くん」の所有権を巡り、元同居人のX氏との間で法廷闘争を繰り広げている。もち太くんは現在、X氏のもとで暮らしており、景井側は昨年1月に代理人を通じ、X氏に対して「動産引渡等請求」の訴状を送付した。その内容は、犬の引き渡しに加え、「令和6年1月27日から引き渡しまで、1日あたり5000円」の支払いを求めるものだった。
一審棄却と景井ひなの控訴の決意
しかし、この請求は今年2月、東京地方裁判所の判断により棄却された。裁判官は、もち太くんを「原告と被告の共有物」と認定し、「犬の引渡しに応じないことは違法とは認められない」との判断を示したのだ。この判決を不服とした景井ひな側は、即座に控訴。自身の不満と真実を訴える強い決意を表明している。
景井が4月30日付けで東京高等裁判所に送付した陳述書には、控訴に対する彼女の並々ならぬ思いが綴られている。「原判決では、私が被控訴人(X氏)と結婚を意識するような関係であったとか、別れないことの証明として婚姻届用紙を書かされたという事実が認められないとか、本件犬(もち太)の基本的な世話も被控訴人が行っていたなどと、事実に反する認定が多々なされ、それを理由にもち太の引渡請求が認められませんでした。」と、一審判決の誤りを具体的に指摘している。
「裁判所に真実を知っていただき、正当な判断をしていただくため、私は以下のとおり真実をご説明することを決意しました」と、陳述書には景井ひなの強い決意が記されている。裁判資料によると、景井は当初、芸能活動への影響を考慮し、一審では陳述書の提出や本人尋問の申請を控えていた。しかし、控訴審では一転して自ら証言台に立ち、冒頭で報じられた涙ながらの訴えは、この控訴審における本人尋問での出来事だった。景井ひなが控訴してまで訴えたい「真実」とは一体何なのか。10000字以上にわたって綴られたとされる陳述書は、二人の馴れ初めから詳細に語り始めている。





