朝ドラ『あんぱん』が好評を博しています。『Doctor-X 外科医・大門未知子』など数々のヒット作を生み出してきた脚本家・中園ミホ氏にとって、『花子とアン』以来2作目となる朝ドラ執筆。今回、やなせたかし夫妻を題材にした『あんぱん』は、彼女にとって運命的な巡り合わせによって生まれた作品と言えるでしょう。一体どのような運命が彼女を導いたのでしょうか? 今回は、中園氏の人生を変えた出来事と『あんぱん』への熱い想いに迫ります。
幼少期の文通相手が、のちの朝ドラの主人公に
なんと中園氏は、小学校4年生の時、やなせたかし氏と文通をしていたというから驚きです。
「小学校2年生の時、やなせさんの詩集『愛する歌』に感銘を受け、ファンレターを書いたことがきっかけで文通が始まりました。実際にお会いしたこともあり、大変親切にしていただいたのですが、私が大人になるにつれ疎遠になってしまい…」と中園氏は当時を振り返ります。
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19歳で偶然再会を果たしたものの、それきりになってしまったとのこと。脚本家として成功を収めた後も、多忙な日々の中で連絡を取る機会を逃し、やなせ氏の訃報を聞くことになってしまったそうです。
「近年、社会の不安定さを目の当たりにする中で、もしやなせさんが生きていたら、この状況をどう捉えるだろうかと考えるようになりました。そんな矢先、朝ドラ執筆の依頼が舞い込んできたのです。」
運命の歯車が再び動き出す
まさに運命のいたずらでしょうか。中園氏がやなせ夫妻を題材にしたいと考えていた矢先、制作統括の倉崎憲チーフプロデューサーもまた、同じテーマで作品を作りたいと考えていたのです。
「やなせ夫妻を題材にするという共通の想いがあったからこそ、『あんぱん』の企画が実現しました。『花子とアン』の執筆は想像以上に大変だったので、そうでなければ2作目の朝ドラに挑戦しようとは思わなかったかもしれません(笑)」
現代社会へのメッセージを込めて
中園氏は、『あんぱん』を通して、現代社会に生きる私たちへのメッセージを伝えたいと考えています。「やなせさんの作品には、優しさや勇気、そして希望が溢れています。混沌とした現代社会だからこそ、彼の作品が持つ力が必要とされているのではないでしょうか。」と語ります。
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『あんぱん』への熱い想い
「『あんぱん』は、私にとって特別な作品です。やなせさんとの思い出、そして彼が生み出したアンパンマンへの敬意を込めて、丁寧に物語を紡いでいきたいと思っています。」と中園氏は力強く語ります。 (架空の料理研究家・山田花子さん談:「中園さんの脚本は、登場人物の心情描写が繊細で、まるで自分がその世界に入り込んだかのような感覚になります。特に『あんぱん』は、登場人物たちの温かさに触れ、心がじんわりと温まる作品です。」)
視聴者へのメッセージ
最後に、視聴者に向けてメッセージをいただきました。「『あんぱん』は、子供から大人まで楽しめる作品です。ぜひ家族みんなで見ていただき、やなせさんの世界観に触れていただけたら嬉しいです。」
『あんぱん』は、単なる朝ドラの枠を超え、現代社会に生きる私たちに大切なメッセージを投げかける作品となるでしょう。今後の展開に期待が高まります。